胃がんのステージ分類や生存率などについて分かりやすく解説していく
あなたは、病院で「あなたの胃がんのステージは」と言う説明をされて、十分に理解できていないのではないでしょうか?
そこで今回は、医学のことに関して知識がない人でもわかりやすいように、胃がんのステージ分類や生存率、治療法などを紹介していきます。
ぜひ、参考にしてください。
胃がんの「ステージ」とは何なのか?
そもそも、胃がんの「ステージ」とは何なのでしょうか?
ステージとは、胃がんがどれくらい進行したのかを数値で表すもので、ステージ1~4までの4段階に分けられているものです。
ステージ1だと早期胃がん、ステージ2,3は進行がん、ステージ4は末期胃がんだと把握できるのが、ステージの役割です。
どのようにして、ステージは分けられているのか?
では、何を基準にステージ分けされているかと言うと、
- ガンの大きさ
- 他の臓器やリンパ節に転移しているかどうか
- 胃の中でがんがどれくらい広がっているか
例えば、「がん腫瘍が2㎝以下で、他の臓器に転移が見られていない」と言うのであれば、早期胃がん(ステージ1)だから、すぐに手術して完治しよう、と言う治療の判断・目安になってくれるのです。
がんは2㎝以下だと小さく、それ以上だと大きいと判断されて、大きくなるりつれて完治が難しくなる傾向があります。
また、がんが他の臓器などに転移していると、外科手術が困難になったりと、治療法が限られてくるので、難しい治療になることが予想されます。
4つのステージの特徴や治療法・生存率
それでは、以下は胃がんの4つのステージの特徴や治療法、生存率を見ていきましょう。
また、今回のステージ別の生存率のデータは、「胃癌のステージと5年生存率 【がん相談無料-鈴木医院】」の記事を参考にさせていただいています。
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ステージ1の胃がん
がんの大きさが2㎝以下、がんの進行も胃の粘膜下層(胃の内側に近い部分)にとどまっており、リンパ節の転移がない場合に、ステージ1と判断されます。
ステージ1の胃がんは『早期胃がん』なので、早めに適切な治療を行えば、生存率が93.4%と非常に良い数値が出ています。
治療法は、内視鏡手術と言って、胃カメラを使った手術を行います。
内視鏡手術では、お腹に小さな穴をあけて、そこから胃カメラを通して胃の中をのぞき、ガン細胞があるところを切除していきます。
患者さんにかかる負担も小さく、合併症・後遺症のリスクはほとんどないのも魅力です。
ステージ2の胃がん
ステージ2の胃がんに分類されるのは、
- リンパ節に転移、胃の固有筋層(胃の少し外側)までがんが侵入している
- リンパ節転移なし、胃の漿膜(胃の外側)にがんが侵入している
の2つの内、いずれか1つを満たす場合です。
ある程度がんが進行しているのがステージ2ですが、まだ完治の可能性は十分にあるので、積極的な治療を行っていきます。
具体的には、開腹手術で胃を2/3以上切除して、がんを体内から除去します。その後に、再発防止のために、抗がん剤を行う場合もあります。
ステージ2の胃がんの生存率は、68.3%だと言われています。
参考:ステージ2の胃がんの症状や生存率、手術について紹介していく
ステージ3の胃がん
ステージ3の胃がんに分類されるのは、
- ある程度範囲が広いリンパ節に、がんが転移。
- 胃の固有筋層よりも外側にがんが侵入
この2つの条件を満たしている胃がんが、ステージ3と診断されます。
ステージ3になると、手術も大がかりなものになってきて、胃だけでなく、胃の周辺にあるリンパ節や転移している可能性のある大腸や肝臓、脾臓などの臓器の切除を行っていきます。
また、手術前に抗がん剤を使って、少しでもガン細胞を小さくして手術をしやすくすることもあります。逆に、手術後に抗がん剤を使って、再発防止をすることもあります。
ステージ3の生存率は、30~50%と言われています。
参考:ステージ3の胃がんの生存率や手術法、抗がん剤について紹介する
ステージ4の胃がん
ステージ4の胃がんは、
- さらに遠くのリンパ節(第3群リンパ節)に転移している
- 肝臓や肺、腹膜などの胃から遠い臓器に転移している
などの場合に、ステージ4と診断されます。
ここまでくると、根治の確率は極めて低く、5年生存率は16.6%と厳しくなってきます。
患者さんの肉体的・精神的な痛みを和らげる緩和治療や、ガンを治すのではなく、これ以上がんの暴走を止める免疫治療・化学療法(抗がん剤)などの治療法が考えられます。
参考:ステージ4の末期胃がんの生存率や症状、治療方法を紹介する
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