胃がんの内視鏡手術で知っておきたい3つのこと
あなたは、胃がんになった時に受ける内視鏡手術のことを知っていますか?
もちろん、医師に全部まかせるのもアリですが、自分の体のことなので、「これから自分がどんな手術を受けるのか?」をよく知るのが重要になってきます。
そこで今回は、胃がんの内視鏡手術で知っておきたいことを3つ紹介していきます。
ぜひ、参考にしてください。
内視鏡手術が適応される胃がんの状態とは?
内視鏡手術は、全ての患者の胃がんに適応される手術ではありません。基本的には、内視鏡手術は、『早期胃がん』と呼ばれるステージ1の胃がんで行われる手術になります。
具体的に言うと、以下の4つの項目に当てはまる患者さんが、内視鏡手術を受けることになります。
- 分化型ガン(成長が遅いがんのことです)
- 肉眼で見て大きさが2㎝以下のがん
- リンパ節移転がほとんど見られないがん
- 手術でまとめて切断できる大きさと場所にあるがん
ただし、内視鏡手術ができる状態でも、患者の年齢や健康状態、親の遺伝子などを考慮して、医師が開腹手術(お腹を開いて行う手術)をする場合もありますが、それはガンの再発をより確実に防ぐための手段だ、と考えてよいです。
内視鏡手術とはどのような手術なのか?
一言で「内視鏡手術」と言っても、大きく分けて以下の2つの手術法があります。
- 内視鏡的粘膜切除術(通称:EMR)
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(通称:ESD)
漢字ばかりが並んでいますが、意味が分かれば難しくありません。
胃がんには、早期胃がんや末期胃がんなど色々な種類の胃がんがありますが、これらの共通するのは「胃の粘膜からガンができた」と言うことです。
つまり、「内視鏡的粘膜切除法」とは、内視鏡を使って、「胃がんがある粘膜を切断する手術法」だと言うことです。
また、「内視鏡的粘膜下層剥離術」とは、「胃の粘膜をさらに深い所(下層)も一緒に切断する手術法」だと考えてよいです。
最近では、内視鏡手術での胃がんの再発防止の面からも、「内視鏡的粘膜下層剥離術」を選ぶ病院・医師が多くなっています。
EMRでは治療手技は比較的容易ですが、2cmより小さな病変でも1回の切除で取りきれない場合があり、治療後の再発の頻度が5-10%程度認めます。
ESDは2cmを超えるより大きな病変でも、1回の切除で完全な切除ができますので、治療後の再発はほとんどありません。2006年4月から早期胃がんに対するESDは医療保険の適応となり、日本国内では広く行われるようになっています。
内視鏡手術の流れや入院期間などは?
内視鏡手術は、胃がんの手術の中でも最も簡単なものですが、通院して日帰りできるほどは簡単ではありません。大体5~10日間の入院生活は余儀なくされる、と考えたほうが良いです。
この10日間の間で、検査をして胃の状態を調べたり、手術に適した体つくりを行ったりとやるべきことがあります。
それに、内視鏡手術と言っても、結局は胃の粘膜を切断して体を傷つける行為に他ならないので、手術後に思わぬ合併症を起こしたり、微熱・吐血の症状を起こす場合もあるので、1週間ほど入院する場合もあります。
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