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腎臓がん

[2022年版]ステージ4の腎臓がんの生存率や手術・完治について解説

ステージ4の腎臓がんの治療法

あなたは、「自分や家族がステージ4の腎臓がんになったけど、助かる可能性はあるの?」と、不安に感じていませんか?

そこで今回は、ステージ4の腎臓がんの生存率や治療法について、医学に詳しくない方にも分かりやすく解説していきます。

ぜひ、参考にしてください。

ステージ4の腎臓がんの生存率・余命はどれくらい?

ステージ4の腎臓がんの5年生存率は20%以下と言われています。

例えば、下図の「横須賀共済病院」のデータを見て分かるように、5年(60ヶ月)時点での生存率が20%を下回っていることが確認できますね。

引用:腎がん - 横須賀共済病院

また、ステージ4の腎臓がんは最初の20ヶ月(1年半)に生存率が大きく下がっており、その後5年を(60ヶ月)を経った時には生存率がほぼ横ばいになっているので、5年間の治療が勝負だと言えます。

もちろん、「生存率が20%以下」と言うのはあくまでもデータなので、ある程度参考にはなりますが、あなた自身の生存率を示したものではない、と言う認識を持っていてください。

ガン治療に必要なのは不安ではなく、希望なのです

ステージ4の腎臓がんの治療法・手術とは?

ステージ4の腎臓がんの治療法には、以下の3つが挙げられます。

  • 外科手術
  • 免疫療法
  • 分子標的薬

以下は、それぞれの治療法について解説していきます。

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ステージ4の腎臓がんの外科手術

ステージ4の腎臓がんの治療は色々ありますが、その中で外科手術は最も有効な治療法だとされています。
ステージ4の腎臓がんが完治できる可能性が最も高いのも、外科手術ですね。

なぜなら、外科手術はガン細胞を丸ごと体内から取り出すことができるので、他の治療法よりも「体にガンがない状態」を作り出すことができるからです。

実際に、腎臓がんを完全に取りきれた場合は平均4.8年、全部取り切れなくても部分的に取った場合は2.4年と高い生存率があります。

多発転移した腎がんを完全に取りきれた場合で生存期間が4・8年、部分的な切除でも2・6年というデータがあります。肺の転移巣を完全切除できた場合では生存期間が10年を超え、肝臓にだけ転移した患者さんでは、手術により60パーセントの人が5年生存を果たしたとの報告もあります。

引用:転移していても切れるものは切る | 進行腎がんでもあきらめないでほしい| 腎細胞がん| がんを学ぶ

また、ステージ4の腎臓がんは肺にガンが転移するケースが多いので、腎臓or肺を切除することになります。
(腎臓や肺は体に2つずつあるので、1つ手術しても問題ありません。)

しかし、全ての患者さんが手術できるわけではなく、腎臓がんの症状によっては手術が不可能だと医師から判断される場合もあります。

ただ、病院や医師によって手術ができるorできないが違ってきますので、口コミ等で「近くの病院で手術ができて、腕が良い医師がいるか」の情報を集めるのも重要になってきます。

ステージ4の腎臓がんの免疫療法

免疫療法とは、私たちの体にある「リンパ球」や「NK細胞」などのウィルスやガン細胞を退治してくれる物体の働きを良くすることで、ガン細胞をやっつけようという治療法です。

免疫療法で使う薬の種類には、

  • インターフェロン・アルファ
  • インターフェロン・ガンマ
  • インターロイキン2

などがありますが、基本的にはどの薬も同じような方法・効果があります。

具体的には、入院をせずに病院で注射(薬)の使い方を教わった後に自宅で週3~5回注射を行う治療法で、薬の効果が出る確率が10~20%で、効果が実感できるのに3~4ヶ月かかるとされているので、正直なところ、腎臓がんの治療でも厳しい治療法だと言えます。

また、副作用としては「発熱、だるさ、気分が滅入る」などが確認されています。

ステージ4の腎臓がんの分子標的薬の治療法

分子標的薬とは「抗がん剤の弟分」みたいな薬で、抗がん剤はガン自体を攻撃することでガン治療を行いますが、分子標的薬はガンの中にある特定の成分や、ガンに栄養を送っている部分を攻撃することでガン治療を行う薬です。

日本では、2008年に「スニチニブ(スーテント)」と「ソラフェニブ(ネクサーバル)」と言う分子標的薬が腎臓がんで使われており、2010年には「テムシロリムス(トーリセル)」と「エベロリムス(アフィニトール)」と言った分子標的薬が使われ始めており、ガン治療では比較的新しい薬と言えます。

ただし、現段階では分子標的薬の効果は1~2年が限度とされており、長く使えば使うほど、ガン細胞が薬の効果に慣れてくるので長期間の治療は望めません

また、副作用も「下痢、高血圧、骨髄機能の低下、腫れなどの皮膚症状」などがありますが、これらの副作用は分子標的薬の使用を止めることで収まります。

分子標的薬は新しい薬なので解明されていない部分が多く、これから新薬が次々と出てくるので、ステージ4の腎臓がんの治療の幅を大きく変える可能性があります。

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