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胃がん

[2022年版]ステージ2の胃がんの症状や生存率、手術について分かりやすく解説

ステージ2の胃がんの治療法や生存率

あなたは、医師から「胃がんのステージ2」と診断されて、この先どうなるのか心配になっていませんか?

そんな人のために今回は、現時点で胃がんのステージ2で分かっている症状や生存率、手術や治療の方法などを分かりやすく解説していきます。

がん治療で最も大事なのは、正しい知識と前向きな姿勢です。

ぜひ、参考にしてください。

ステージ2の胃がんはどんな状態なのか?

ステージ2の胃がんの説明の前に、そもそも、胃はどんな構造になっているのかを説明していきます。

胃の内側には「粘膜」と呼ばれる胃を守るバリアみたいなものがあって、この粘膜を覆うように「固有筋層」と言うものが、胃の外側にあります。

基本的に、胃のがん細胞は粘膜で作られて、時間が経つにつれて大きくなっていき、やがて固有筋層に侵入したり、他の臓器やリンパ節に転移するようになります。

そして、胃がんのステージ2と言うのは、

  • 固有筋層に胃がんが侵入した。
  • リンパ節に胃がんが侵入した。

このどちらか一方、または両方が確認された場合に「ステージ2の胃がん」と診断されるのです。

また、ステージ2の場合の自覚症状には、食欲がない食べ物が胃に使える感じがする胃に違和感しこりがある等があるので、「もしかして」と思う方は、早めに病院で検査を受けることを強くオススメします。

ステージ2の胃がんの生存率とは?

胃がんのマニュアルとも言うべき「胃癌治療ガイドライン」のデータによると、胃のどの部分でがんが発症したかによって多少の違いはありますが、ステージ2の胃がんの生存率は「68.3%」と言う結果が出ています。

ステージ2の胃がんの部位別の5年生存率

ちなみに、がんにおいて生存率とは、「手術・治療を終えてから、がんが5年以上再発しない確率」のことなので、再発率は「31.7%」ともいえます。

もちろん、この数字はあくまでデータなので、医師とよく相談して自分にあった治療法を見つけるのが重要になってきます。

ステージ2の胃がんでは、どんな治療法・手術をするのか?

ステージ2の胃がんと診断された場合は、基本的には「定型手術」と言う胃の切断手術を受けることになります。

がんで最も恐ろしいのは「転移」です。
なので、胃のがん細胞がある部分を切除して、がんを体から切り離すことでこれ以上のがんの進行を食い止めよう、と言う狙いがあります。

主として治癒を目的とし標準的に施行されてきた胃切除術法を定型手術という。胃の 2/3 以上切除と D2リンパ節郭清を行う

引用:がん診療ガイドライン│胃がん│治療ガイドライン

定型手術は「胃の2/3以上切断する手術」と言われていますが、がんの状態によっては、3/4切断する人もいれば全摘出する人もいます。

その辺りは、医師の判断の基、患者さんに合った適切な処置が下されることになります。

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ステージ2の胃がんでは抗がん剤は有効なのか?

ステージ2の胃がんにおいては、抗がん剤はメインの治療法ではなく、あくまでも「定型手術の補助役」と言う形になります。

つまり、定型手術の前に抗がん剤を使って手術の成果を高めよう、と言う狙いや、逆に手術後に使ってより確実に治療を行う、と言う狙いで使われます。

以前は「抗がん剤は本当に役に立つのか?」と専門家の間で意見が分かれていたようですが、新たに「TS-1」と言う胃がんの抗がん剤が開発されてから、多くの専門家が「抗がん剤は良い」と言う意見になったようです。

何よりTS-1の効果はすばらしく、切除不能にまで進行したがんや、再発して治療法がないような患者に対しTS-1単剤による治療だけでも、RR:response rate:CTなどの画像診断で評価対象とした一般的な基準(RECIST)では、腫瘍が完全に消失した「完全奏効(CR)」と、30%以上小さくなった「部分奏効(PR)」の合計を指す。
CR:complete response 腫瘍が完全に消失した状態
PR:partial response 腫瘍の大きさの和が30%以上減少した状態
SD:stable disease 腫瘍の大きさが変化しない状態

" style="padding: 0px; margin: 0px; text-decoration: none !important; border-bottom-style: dotted !important; border-bottom-width: 1px !important;">奏効率は46パーセントとのデータがある

従来の5-FUの20パーセント程度と比較すれば、倍以上の数字だ。そして、今回、術後補助療法に用いた臨床試験の結果である。

注目すべきは、臨床試験の結果を受けて、日本胃癌学会の「胃がん治療ガイドライン」が書き換えられる可能性が高まったことだ。

引用:胃がんの術後補助療法 胃がんは「抗がん剤もがんの治癒に貢献できる」時代に | がんサポート

一方、本邦の胃癌に対する一次治療レジメン(注:レジメン=がん治療の計画・方針のこと)がTS-1を中心とし、今後はこの治療を受けた患者さんが大部分を占めるようになるが、TS-1による術後補助化学療法施行例における再発・転移に対する二次治療をどうするかが今後の大きな課題となる。

引用:おクスリ.jp|特集 胃癌の術後補助化学療法 -その変遷と薬剤師への今後の期待-|Trial 胃癌術後補助化学療法比較試験「ACTS-GC試験」

また、他にも抗がん剤に頼らない食事療法と言う手術後の治療法もあり、患者は様々な治療法を取り入れることで、再発を防ぐことにつながります。

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