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胃がん

胃がんがリンパ節に転移した時のステージ別の生存率や症状、治療法を紹介していく

胃がんがリンパ節に転移した時の治療法

あなたは、胃がんがリンパ節に転移したと聞いて、この先どうなるのか不安に感じていませんか?

そこで今回は、胃がんのリンパ節転移の時のステージ別の生存率、症状、治療法を分かりやすく紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

胃がんのリンパ節転移とはどんな状況なのか?

よくガンの本などを見ると、「胃がんがリンパ節に転移した」と言う文章を見ますが、そもそもリンパ節とは何でしょうか?

リンパ節とは、私たちの体にウイルスや細菌が入り込んだ時に、これらを退治してくれる成分を出すものです。
血管のように、体中のあらゆる所にリンパ節は通っています。

つまり、「リンパ節にがんが転移した」と言うのは、他の臓器や全身にがんが転移する可能性が高いと言うことでもあり、リンパ節に転移しているかしていないかで、大きく生存率は変わってきます。

胃がんがリンパ節に転移した時の生存率は?

一言でリンパ節に転移したと言っても、

  • どれくらいの長さまで、リンパ節が転移しているのか。
  • 胃の中にあるがんの様子はどうなのか。

この2つがどのような状態なのかによって、今後の治療法や生存率は大きく変わってきます。

まずは、あなたの胃がんがどれくらい進行しているのかを、下の表を見て理解しましょう。

リンパ節転移した胃がんのステージ

基本的に胃がんは、胃の一番内側にある「粘膜(ねんまく)」と言う所から発生して、進行するごとに

粘膜下層→固有筋層(筋層)→漿膜下層→漿膜(しょうまく)

と胃の外側に向けてガン細胞が大きくなっていき、より症状も深刻になっていきます。

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胃がんのリンパ節転移の時の生存率は?

また、表にある『ⅠA』とか『Ⅲ』と言うのは「ステージ」と呼ばれているもので、がんがどれだけ進行しているかを示したものです。Ⅰが最も軽く、Ⅳが最も重い胃がんになります。

これも踏まえて下の表を見てみると、自分の胃がんではどれだけの生存率かが分かります。

胃がんのステージ別の5年生存率

ただし、生存率はあくまでもデータなので、あなたがこれからどのような治療法や生活を行うかによって、今後の結果は大きく変わる可能性もありますよ。

(毎日笑って過ごしたらガンの進行が止まった、と言う話も聞きますよね)

リンパ節に転移した時の治療・手術法は?

胃がんがリンパ節に転移した場合の治療法は、あなたの胃がんがどのステージなのかによって変わってきます。

ステージⅡ、ⅢAの胃がんの場合

この場合は、基本的には「定型手術」と言うものを行います。

定型手術とは、胃の2/3以上を切除したり、ガンが転移している疑いがあるリンパ節の切断を目的とした手術のことです。

胃をどれだけ切除するかは、あなたの胃がんの状態や医師の判断によって違ってきますが、より治療の効果を高めるためにも、手術前・手術後に抗がん剤を行うこともあります。

参考記事:胃がん患者が抗がん剤を使う前に知っておきたい3つのこと

参考記事:ステージ2の胃がんの症状や生存率、手術について紹介していく

ステージⅢA、ⅢBの胃がんの場合

ステージⅢの胃がんの場合は、「開腹手術」と言うものを行います。
なので、ステージⅢAの胃がんの場合は、定型手術か開腹手術を行うことになります。

開腹手術とは、定型手術を大がかりに行う手術のことで、胃の周りの臓器(すい臓、大腸、ヒ臓、肝臓など)やより広範囲のリンパ節を切除することになります。

切除する範囲が広くなるので、その分だけ胃がんを取り除ける確率は上がりますが、合併症の危険性や副作用も大きくなってきます。

参考記事:ステージ3の胃がんの生存率や手術法、抗がん剤について紹介する

ステージ4の胃がんの場合

ステージ4は最も胃がんが進行している段階で、場合によっては何か所にガン細胞が転移していて、これ以上手が付けられないと判断した場合は、「緩和手術」を行うことになります。

緩和手術とは、積極的な完治を諦めて、患者が残りの人生を苦しまずに楽しく過ごせるようにする治療法です。

患者本人やご家族にとっては辛い選択になるでしょうが、「手が付けられない」と分かった時には、「残りの人生をどう幸せに生きるか?」も大事になってきます。

ただし、医師が「まだ可能性がある」と判断した場合は、抗がん剤治療や開腹手術を行った後にしばらく様子を見る、と言うこともあります。

参考:ステージ4の末期胃がんの生存率や症状、治療方法を紹介する

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