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胃がん

胃がんで全摘出手術をしても転移の可能性があるのか調べた

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あなたは、「胃がんの全摘出手術をしたけど、他のところに転移しているのでは、、」と不安に感じていませんか?

そこで今回は、胃がんで全摘出手術を行った場合、どのくらいの割合で転移しているのか。もし、転移していた場合どうすれば良いのかを分かりやすく解説していきます。

ぜひ、参考にしてください。

胃がんで全摘出をする目的とは?

そもそも、胃がんになった時に胃の全摘出を行うのはなぜでしょうか?

基本的に胃の全摘出は、

  • 胃全体にガン細胞が見つかった場合
  • 胃の上部にガン細胞があり、脾臓(ひぞう)に転移する可能性がある場合

に全摘出手術を行うことになります。

胃がんが他の臓器やリンパ節に転移するのは、ガン細胞がリンパ節にこぼれ落ちたり、ガン細胞が胃から染み出た場合に限られており、これらのリスクは胃がんが進行するほど大きくなる、とされています。

つまり、胃がんで全摘出を行うのは、胃がんを治すだけでなく、胃がんの転移を予防する効果もあるのです。

全摘出後に他の臓器の転移する可能性はどれくらいか?

胃がんは、「分子型がん」と言う大きなかたまりのガン細胞ができるガンなので、一般的には転移しにくいガンだと言われています。

しかし、胃がんも所詮はガンなので、進行するほど転移する可能性は高くなっていきます。例えば、下図の様な「済生会熊本病院」のデータを見ると分かります。

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このデータは、全摘出や2/3の胃を切除と言った全ての胃がんの手術を含んだデータですが、ある程度の目安が分かります。

例えば、ステージ3Aを見ると5年生存率が76.8%とありますが、逆に言うと、23.2%の人が手術後に再発したという事になります。

ちなみに、ガンが再発するのは同じ部分に再発するケースは珍しく、大半が他の臓器やリンパ節でガン細胞が見つかったケースが多いので、「再発=転移」と考えます。

こうして見てみると、胃がんが進行しているほど再発率・転移率も上がっていることが分かります。

全摘出後に転移したらどうすれば良いか?

ベストな選択は「再手術」で転移したガン細胞を取り除くことですが、全摘出手術でかなり体力を奪われているので手術が困難な場合があります。

それに、ガンが転移したと言うのは、「体中にガン細胞がばらまかれている状態」とも言えるので、全てのガン細胞を手術で取り除くのは不可能に近い状態になっています。

なので、基本的には抗がん剤治療や放射線治療、免疫治療などでガンを抑えるのが、現実的な方法になります。医師によっては、これらの方法で様子見をして、患者さんの体力やガンの状態を考慮した上で再手術をする場合もあります。

抗がん剤がガンを抑えるのに一番良い」とか「免疫治療が安全」とか色々な声がありますが、どの治療法が一番ガンを抑えれて、快適な生活を望めるのかは医師でも判断が難しいところです。

なので、自分なりにベストな治療法は何か、を考えて自分で治療法を決めるのが、最善の治療法と言えます。

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