[2022年版]ステージ4の膵臓がんの余命や治療法、緩和ケアを分かりやすく解説
あなたは、「ステージ4の膵臓がんと診断されたけど、この先どうすれば良いのか分からない」と、不安に感じていませんか?
そこで今回は、ステージ4の膵臓がんの余命や治療法、緩和ケアについて分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
ステージ4の膵臓がんの状態や余命・生存率はどれくらい?
そもそも、ステージ4の膵臓がんとは、どんな状態のことを言うのでしょうか?
Wikipediaの膵臓がんのページによると、ステージ4の膵臓がんがどのような状態なのかが分かります。
IV期 - がんが膵臓の周囲の臓器・器官を巻き込んでいるか、離れた臓器まで転移がある。
簡単に言うと、膵臓だけでなく、胃や大腸などの他の臓器にガン細胞が転移している状態が、ステージ4となります。
ガン細胞の転移は、「リンパ管」と言う、血管のように全身を張り巡らされているチューブのようなものを通って、膵臓から他の臓器に転移していきます。
つまり、ステージ4の膵臓がんは「全身にガン細胞が巡っている可能性」があると言えるので、治療はかなり困難を極めることになるのです。
実際に、「味の素株式会社 広報部」さんのデータによると、ステージ4の膵臓がんの5年生存率は3%と厳しい数字になっています。
引用:膵臓がんの検査を2015年8月より開始、膵臓がんの早期発見にも対応
ステージ4の膵臓がんの最適な治療法とは?
では、ステージ4の膵臓がんでは、どの治療法がベストかと言うと、
- 化学療法(抗がん剤治療)
- 放射線治療
- 緩和治療
の3つの内のどれかになります。
「手術はできないの?」と思うかもしれませんが、手術は膵臓のみにガン細胞がある場合は有効な治療法ですが、ガンが転移したステージ4では「ガンによる痛みを軽減するための目的」でしか行いません。
では、先ほど挙げた3つの治療法の特徴を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
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ステージ4の膵臓がんの抗がん剤治療
ステージ4の膵臓がんで使う抗がん剤には、
- TS-1(飲み薬)
- ジェムサール(点滴を使う薬)
- エルロチニブ塩酸塩(点滴)
の3つがあります。
この3つの薬の内、どの抗がん剤が膵臓がんに効果があるのか、2種類の薬を一緒に使った方が良いのか等は、医師の間でも意見が分かれています。
抗がん剤治療は、これからずっと抗がん剤の薬を使うわけではありません。
例えば、TS-1であれば、28日間続けて投与した後は14日間抗がん剤を使うのを休む、と言うのを繰り返していきます。
また、抗がん剤治療では、「抜け毛、吐き気、だるさ」などの副作用が出てきますが、最近では「制吐剤」のような副作用を抑える薬も使いますし、それでも副作用が辛い場合は医師に気軽に相談することもできますよ。
膵臓がんの抗がん剤治療については、以下の記事に詳しく書いているので参考にしてください。
参考記事:膵臓がんでの抗がん剤の種類や効果、副作用について解説する
ステージ4の膵臓がんの放射線治療
ステージ4の膵臓がんでは、放射線治療はメインの治療法とはなりません。
ステージ4の膵臓がんになると、ガンが骨や皮膚に転移してしまい痛みを感じる場合があるので、その時に放射線治療で痛みの原因となるガン細胞を一時的に除去する、と言う狙いで使われています。
ステージ4の膵臓がんの緩和ケア
緩和ケアとは、積極的にガンを完治することをせずに、ガンが進行することで起こる肉体的な痛みや不安・恐怖を取り除くことをメインにした治療法です。
先ほど言ったように、ステージ4の膵臓がんの生存率は3%ほどしかありません。
確かに、抗がん剤治療を頑張れば治る可能性はありますが、残酷な言い方をすれば、「残りの人生をいかに幸福にするか」を考えても良い数字だと言えます。
緩和ケアでは、「モルヒネ」などの痛み止めを使ったり、心理学に詳しい専門家に心のケアを受けることができます。
また、ガン治療の苦痛から解放されるので、趣味に没頭する方もいます。
確かに、最後まで治療をして完治・延命を目指すのが良いのか、緩和ケアで残りの人生を有意義にするのが良いのか、と言う問題はかなり難しい分野に違いありません。
しかし、唯一言えるのは、「患者さん自身にとってどちらが悔いは残らないか?」を考えれば、おのずと最適な治療法が見えてくるはずです。
-膵臓がん