ステージ4の食道がんの生存率や完治、抗がん剤などを分かりやすく解説する
あなたは、「ステージ4の食道がんと診断されたけど、この先どのような治療がベストなのか分からない」と、悩んでいませんか?
そこで今回は、ステージ4の食道がんの生存率や完治の可能性、抗がん剤や放射線治療などの治療法について、分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
ステージ4の食道がんの生存率・余命とは?
まずは、ステージ4の食道がんの生存率がどれほどあるのかを、様々なデータから検証していきましょう。
「熊本大学大学院生命科学研究部」さんのデータによると、ステージ4の5年生存率は「25.6%」と言う結果が出ています。
引用:消化管外科│熊本大学大学院生命科学研究部 消化器外科学
さらに細かくデータを見ていくと、65%近くの人は1年生きられて、40%近くの人は3年生きられる、ということが分かります。ただし、これはあくまでもデータであって、どの病院・医師に治療してもらえるか、どんな治療法を選ぶかで結果は大きく異なってきますよ。
例えば、「横浜市立大学医学部」さんのデータを見ると、ステージ4の5年生存率は15.9%と言う結果が出ています。
もちろん、このデータの違いは計測方法や誤差のせいであるとも考えられますが、「病院や医師、治療法によって結果が変わってくる」と言うことも理解できるはずです。
ステージ4の食道がんの治療法とは?
ステージ4の食道がんとは、ガン細胞がかなり遠くのリンパ節に転移したいたり、食道の壁を突き通って肺や胃などの周囲の臓器に転移している状態です。
そのため、ガン治療で最も有効な治療法である「外科手術」を行うのはほぼ不可能に近く、「抗がん剤治療」や「放射線治療」を行うのが一般的になっています。
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ステージ4の食道がんの抗がん剤治療の目的、方法、効果
ステージ4の治療で抗がん剤を使う目的は、手術で取り切れないガンが大きくなったり、これ以上転移するのを防ぐことにあります。なので、完全にガン細胞が体内から消える、と言うことはほぼ不可能だと考えたほうが良いでしょう。
抗がん剤治療の方法は、大きく分けて以下の4つの流れで行います。
- 患者さんの症状に合わせて、適切な治療法を医師が決めます。
- 抗がん剤治療開始。最初は2週間治療を行って、1~2日退院します。
- その後は検査で様子を見ます。「1~3週間抗がん剤を使って、1週間休む」と言うのを繰り返します。
- 副作用がひどかったり薬の効き目がなくなった場合は、他の治療法に切り替えます。
抗がん剤には色々な種類がありますが、基本的には「フルオラウラシル+シスプラチン」と言う2種類の抗がん剤を点滴で投与していきます。
副作用として、「嘔吐、下痢、だるさ、脱毛」などがありますが、もし副作用で肉体的・精神的にきついと感じれば、すぐに医師に相談しましょう。なぜなら、抗がん剤の種類や投与量を変えるだけで、副作用が楽になることが多々あるからです。
ステージ4の食道がんの放射線治療とは?
ステージ4の治療の場合には、放射線治療を行う場合もあります。放射線治療とは、放射線(X線)を使ってガン細胞の遺伝子を傷つけることで、ガン細胞を死滅させるのが狙いの治療法です。
ステージ4で放射線治療を行う目的は、主に患者さんの苦痛を和らげるため(予防)です。例えば、ガンが骨に転移すると強い痛みを感じたり、気道にガンが転移すると息苦しく感じたり、血痰などの症状が出るので、これらを緩和する目的があります。
治療時間は1回の治療が15分程度。これを週5日繰り返すのを2~4週間続けて、少しずつガン細胞に放射線を当てていきます。
放射線治療で副作用はあるのか?
放射線治療でも、抗がん剤と同じように副作用が現れます。なぜなら、ガン細胞だけに放射線を当てれば問題ないのですが、ガン細胞の周りにある健康な細胞も放射線に当たってしまうので、現在の医療技術では副作用は避けられないからです。
具体的には、治療から数日後すぐに起こる「早期合併症」と、治療数カ月~数年後たって起こる「晩期合併症」があります。
早期合併症では、
- だるさ
- 食欲不振
- 頭痛
- 食べる時に喉に違和感を感じる
などの症状が出ます。ただし、これらは治療後1週間~数カ月で収まることが多いです。
また、晩期合併症では
- 放射性肺炎
- 神経症状
- 食道潰瘍
が考えられ、これらの場合は別に治療を行う必要があります。
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