[2022年版]前立腺がんの3つの手術方法や後遺症(尿漏れ・失禁)を分かりやすく解説
あなたは、「前立腺がんの手術を受けるけど、今後自分のガンとか人生がどうなるか不安だ」と感じていませんか?
そこで今回は、前立腺がんの3つの手術方法や手術の流れ、手術後に起こる後遺症(尿漏れ・失禁)が起こる原因や対策法を分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
前立腺がんの手術の流れ
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1、医師とどの手術方法で行うのかを相談して決める
検査で前立腺がんがあると発見した後は、完治可能のがんであれば、外科手術によって積極的に手術を行っていきます。
手術の前に、手術のスケジュールや手術法、費用について医師から説明があると思いますが、手術方法は大きく分けて以下の3つが考えられます。
- 恥骨後式摘出術・・・下腹部を開いて行う手術。手術跡が残りデメリットがあるものの、完治の可能性が最も高い。
- 会陰式摘出術・・・肛門近くを切り開いて行う手術。手術跡が目立ちにくいが、行える病院・医師は少ない。
- 内視鏡手術・・・お腹に小さな穴を開けて、そこから内視鏡(カメラ)を入れて行う手術。入院期間が短く体力が戻るのも早いが、医師の腕が必要。
この3つの内、多くの患者さんが「恥骨後式摘出術」を受けることになりますし、これが一番安全です。例えば、「愛知県がんセンター中央病院」さんは、以下のような見解を述べています。
手術の方法には開腹手術や腹腔鏡手術がありますが、当センターでは下腹部を切開して前立腺を摘出する恥骨後式前立腺全摘除術を行っています。入院期間は2~3週間で、手術時間は4時間程度です。以前は出血量が多い手術といわれていましたが、ほとんどの手術が自己血輸血のみで可能です。
ちなみに「自己血輸血」とは、手術では出血が多く、何もしなければ出血多量で命にかかわるので、あらかじめ患者さんの血を取っておいてその自分の血を手術中の輸血に使う、と言うことです。(採血をしても、また新たに血は体内で作られます)
また、「もっと他に良い治療法はないかな」と思えば、「セカンド・オピニオン」と言って、他の病院や医師にがんの事を相談しても構いませんし、他の病院に治療をお願いすることも可能です。
「そんな事をしたら担当の先生に嫌われるのでは?」と思うかもしれませんが、大半の医師はそれで良いと思っていますし、もし、それで機嫌を損ねる医師が担当であれば、すぐに別の病院に当たる方が身のためですよ。
2、手術を行う
手術をする際には、病院によって多少の誤差はありますが、10日ほど入院する必要があります。なぜなら、患者さんの体を手術しやすいように、食事に気を配ったり、全身麻酔を行うなど他に様々な準備をする必要があるからです。
全身麻酔をして手術をするので、前立腺がんの手術中に痛みはほとんどなく、手術時間は2~4時間程度で終わります。(内視鏡手術であれば、もう少しかかります)
実際のところは、全身麻酔をしてしばらくしたら勝手に眠ってしまうものなので、手術も気づいたら終わっていると言うことになりますね。
3、しばらくは定期検査を行い様子を見る
手術を受けた後は、3~4か月の間隔で検査を受けて、前立腺がんの再発はないかを確かめます。
具体的には、「PSA値」と言う数値を測定して、PSA値が0.2ng/ml上昇した場合は再発とみなされて、10年以上PSA値が上昇しなければ完治したと見なされます。
ちなみに、PSAとは前立腺にのみ存在するタンパク質の1種で、PSAの数値によって前立腺がんのリスクや、再発の有無が分かるようになっています。
手術後に起こる後遺症(尿漏れ・失禁)を防ぐためには?
前立腺がんの手術を行った場合は、手術の後遺症として「尿漏れ・失禁」が起こる可能性があります。
では、なぜ、前立腺がんの手術を受けると尿漏れ・失禁が起こるのでしょうか?
私たちはおしっこを我慢しようと思えばできるわけですが、それは「尿道括約筋(かつやくきん)」と「膀胱頸部(ぼうこうけいぶ)」と言う2つの筋肉・機能が、尿の通り道(尿道)を開いたり閉じたりできるからです。
しかし、前立腺がんの手術をすると、場合によっては尿道括約筋と膀胱頸部のどれか1つ、または両方を失うことになるので、その影響で尿漏れや失禁が起きるとされています。
では、前立腺がんを後遺症を防ぐためにはどうすれば良いかと言うと、医師の腕に全てがかかっています。腕の良い医師ほど、尿道括約筋を傷つけずに前立腺だけを取り除く技術に長けているので、後遺症が起きにくいです。なので、後遺症を防ぐためには、なるべく腕の良い医師を見つける必要があります。
また、尿漏れや失禁が起こった時には一生治らないと言うわけではなく、約1か月後には元通りになることが多いです。