胃がん患者が抗がん剤を使う前に知っておきたい3つのこと
あなたは、胃がんになった後に抗がん剤を使わないといけないことに、不安を感じていませんか?
そこで今回は、
- 抗がん剤を使う理由
- 胃がんに良い抗がん剤の種類
- 最近できた新しい抗がん剤
について分かりやすくまとめました。
ぜひ、参考にしてください。
なぜ胃がんに抗がん剤を使うのか?
そもそも、なぜ胃がんに対して抗がん剤を使うのかと言うと、その理由は大きく分けて以下の3つがあります。
- 手術前に使うことで、ガンを小さくして手術しやすくするため。
- 手術後に使うことで、がんが再発する確率を極力減らすため。
- 末期胃がんの進行を少しでも遅くするため。
手術の効果を高めるために抗がん剤を使うケースは、ステージ2の胃がん,ステージ3の胃がんの場合が多く、ステージ4の末期胃がんの場合は、これ以上がんの進行を遅らせるために使われることが多いです。
ちなみに、抗がん剤に対しての専門家の意見は、以下のようになっています。
初回化学療法でがんの大きさ(CTでの断面積)が半分以下に小さくなる可能性が初回治療は10人中5-6人(奏効率50-60%)です。化学療法をしない場合に比べ生存期間を約10月(中央値での比較)上乗せする効果です。
一定の効果は認められますが、まだ満足できるものではありません。
一方、転移した胃癌(第4期または再発胃癌)に対する化学療法は新薬が一般臨床に使われるようになり治療成績が次第に向上しています。臨床試験での全生存期間の中央値は1990年代と比べ最近の報告では約2倍近くになっています。
もちろん、胃がんのステージによって効果の度合いが違ってきますが、大体50~60%の患者に抗がん剤が有効だ、と言うデータがあります。
胃がんに使える抗がん剤の種類とは?
昔は「胃がんに抗がん剤は効かない」と専門家の間で言われていましたが、今では新たな薬が開発されたり、より効果の高い薬の使い方が発見されてから、胃がんにも抗がん剤が有効だというのが分かりました。
2015年現在、胃がんに対して抗がん剤治療を行う際には、以下の2つの内、どちらかを選択することになります。
- 「フルオロウラシル」と「シスプラチン」を少量ずつ併用する方法
- 「TS-1」と言う飲み薬の抗がん剤を使う方法
以下は、それぞれ分かりやすく解説していきます。
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フルオロウラシルとシスプラチンの抗がん剤について
フルオロウラシルとシスプラチンと言う抗がん剤は、多くの量を使えば非常にだるかったり下痢・吐き気が止まらない等の、重い副作用がありました。
しかし、これら2つの抗がん剤を小量ずつ併用することで、抗がん効果を高めつつ副作用を小さくできることに成功しました。
TS-1の抗がん剤について
TS-1とは、従来から使われていた「フルオロウラシル」の抗がん剤が改良した薬で、現在世界で最も多く使われている抗がん剤です。
1日2回、食後30分以内に服用する飲み薬でもあるので、患者さんによっては医師と相談して、普通に日常生活を送りつつ定期的に通院する生活を送る人もいます。
しかし、それでも抗がん剤である以上は、少々の副作用は避けられません。TS-1の詳しい副作用については、「国立がんセンター中央病院 」のパンフレットに載っているので、読んでおくことを強くオススメします。
胃がんに使える抗がん剤の新薬
2015年6月22日に、「ラムシルバム(商品名:サイラムザ)」と言う胃がんの新薬が発売されました。
2015年6月22日、抗悪性腫瘍薬ラムシルマブ(商品名サイラムザ点滴静注液100mg、同点滴静注液500mg)が発売された。適応は「治癒切除不能な進行・再発の胃癌」で、2週間に1回、8mg/kgをおよそ60分かけて点滴静注する。
(中略)
ラムシルマブは、血管内皮細胞増殖因子受容体2(VEGFR-2)に対する遺伝子組換えヒト免疫グロブリンG1モノクローナル抗体で、日本では胃癌に対する初の血管新生阻害薬である。
難しい言葉が並んでいますが、要はこの新薬「ラムシルマブ」は、「血管新生」と言うものを止めてくれる薬だ、と言うことです。
血管新生とは、ガン細胞が私たちの体の中に血管を作って栄養補給をすることを言います。
そもそも、ガンが進行する原因はガン細胞が血管から栄養を奪っていることにあるのですが、ラムシルマブは、ガン細胞が血管を作るのを阻止して栄養補給をさせないようにする狙いがあるのです。
ただ、まだまだ新しい薬でデータも少ないので、これからの研究が待たれます。
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