[2022年版]乳がんの再発予防で使う薬や食事、運動について解説
あなたは、「乳がんが再発しないようにベストを尽くしたいけど、具体的にどうすればよいの?」とか、
「乳がんの再発防止のために抗がん剤をすると言われたけど、抗癌剤治療を受けたほうが良いの?」
という不安を抱えていませんか?
そこで今回は、乳がんの再発防止のために抗がん剤などの薬を使う理由や効果、再発防止のために自分でできる食事や運動の方法などを、分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
なぜ、乳がんの再発防止のために薬(抗がん剤)を使うのか?
そもそも、まぜ、乳がんの再発防止のために抗がん剤などの薬を使うかというと、検査でも確認できないほど小さながん細胞を退治するためです。
乳がんの治療では、他の臓器に転移していない大きながん細胞は外科手術で取り除くのが主流ですが、手術をしても小さすぎて発見できないがん細胞が残る場合があります。
小さながん細胞が体内に残った場合は、数ヶ月〜数年後に成長してガンになったり、リンパ管(血管みたいなもの)を通って乳房から他の臓器にがん細胞が転移する場合もあるので、大事を取って抗がん剤などの薬を再発防止に使うのです。
もちろん、「手術によって、がん細胞を完全に退治できた」という場合は、再発防止に抗がん剤を使っても特に意味はないのですが、2017年11月現在での医学技術では、「この患者さんは再発の可能性があるけど、この患者さんは絶対に再発しない」と言う風に見分ける方法が確立されていないので、念には念を入れて抗がん剤などの薬を使った再発防止治療を行うことをオススメします。
乳がんの再発防止のために、どんな薬を使うのが良いの?
「じゃあ、乳がんの再発防止のために、どんな薬を使うのが良いの?」という話になりますが、乳がんの再発防止で使う薬には、
- ホルモン剤
- 抗がん剤
- 分子標的治療薬(抗がん剤の妹分みたいなもの)
この3種類の内、どれか1つor複数を組み合わせることで、再発防止をしていきます。
じつは、一言で乳がんと言っても、人間と同じように乳がんにも個性があり、大きく分けて以下の3つの乳がんのタイプがあります。
- ホルモン受容体陽性乳がん・・女性ホルモン(エストロゲン)をエサにして大きくなる乳ガン。
- HER2陽性乳がん・・「HER2タンパク」と言うものを持っている乳がん。
- 上記の2つの性質を持っていない乳がん
あなたの乳がんが女性ホルモンをエサにする「ホルモン受容体陽性乳がん」の場合は、体内の女性ホルモンを減らしたり、ガンが女性ホルモンをエサにしないように邪魔をする「ホルモン剤」を投与することで再発防止を行います。(「グレード3」と言う手強い乳がんの場合は、抗がん剤を併用します。)
もし、HER2陽性乳がんの場合は、がん細胞にくっついている「HER2タンパク」の働きの邪魔をする「トラスツズマブ」という分子標的治療薬を使い、どちらの性質を持っていない乳がんの場合は抗がん剤を使います。
このように、薬によって「使える条件」が違いますが、抗がん剤は副作用が「脱毛、吐き気」などがありますが、ホルモン剤の副作用は更年期障害のような「体のほてり(熱っぽくなる)、汗かき、イライラする」等のように、抗がん剤に比べて副作用が軽いと言う特徴があります。
なので、今後のご自身の人生プラン(働きながら治療をしたい等)を率直に担当医に言って、担当医と共にどの再発防止法がベストかを模索するのが重要になってきますね。
乳がんの再発防止のために自分で出来ることはあるの?
「乳がんの再発防止のために、自分で出来ることを何でもやりたい!」という人は、以下の2つを実践すると良いです。
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1,栄養バランスの良い食事を心がける
私たちの体を作っているのは日々の食事なので、乳がんの再発防止のためにも、栄養バランスの良い食事を心がけるのが重要になってきます。
具体的には、「米、パン等の主食:肉・魚・大豆:野菜=2:1:2」の栄養バランスで美味しく食べて、お酒はほどほどに控える(できれば禁酒)のがベストで、太り過ぎず痩せすぎずの標準的な体型を維持できればOKです。
実際に、「多目的コホート研究」さんが18万人を追跡して調査をしたところ、肥満であればあるほど乳がんの発症率は高くなっているのが分かります。(したグラフは、右にいくほど肥満になっている)
また、「大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンの働きを良くするから、乳がんに大豆は良い」と言う意見もありますが、2017年11月時点では、「大豆が乳がんに良い」と断言できるほどデータが集まっていませんが、「単純に大豆は健康に良いから、適度に食べると良い」ぐらいの感じで食べることをオススメします。
(なので、大豆イソフラボンが入っているサプリを大量に飲む、と言うのはNGです)
2,1週間で合計1時間の運動をする
運動の習慣を取り入れることは、乳がんに関わらず、全てのガンの発症率を下げることが医学的に証明されています。
男女とも、身体活動量が多い群ほど、何らかのがんにかかるリスクが低下していました。身体活動量の最小群と比較した場合、最大群のがん罹患リスクは、男性で0.87倍、女性で0.84倍でした。低下の傾向は女性でよりはっきりと見られ、さらに高齢群や余暇の運動頻度の多い群でよりはっきりとした低下がみられていました。
ただ、普段から運動指定ない人が「1週間に1時間運動する」と言うのはハードルが高いと思うので、最初は「コンビニに車で行くのを歩いて行く」とか無理がない所から運動習慣を付けていき、徐々に運動する時間を増やせばOKです。
最初は簡単なウォーキングから始め、徐々にジョギングに切り替えて、最終的には「少し汗をかいて、運動後は気持ちがスッキリする」程度の運動をやれるようになると、乳がんの再発率は下がりますよ。
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