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乳がんがリンパ節転移した時の生存率や治療法、抗がん剤について解説する

リンパ節に転移した乳がんの治療法

あなたは、「乳がんがリンパ節転移していたけど、この先どうなるか不安でしょうがない」と、思っていませんか?

そこで今回は、乳がんがリンパ節に転移した時の生存率や治療法、抗がん剤について詳しく解説していきます。

ぜひ、参考にしてください。

乳がんがリンパ節に転移した時の生存率・再発率とは?

一言で「乳がんがリンパ節に転移した」と言っても、どれぐらい遠くのリンパ節に転移したのか、ガン細胞の大きさはどれくらいなのかによって、生存率・死亡率は大きく違ってきます。

がん業界では、ガンの重症度を「ステージ」と言うのに分けて考えていますが、乳がんの場合は大ざっぱに以下の様に分けることができます。(ステージの数字が大きいほど、ガンは重症になっていきます)

  • わきの下のリンパ節に転移・・ステージ2a~ステージ2b
  • 胸骨、鎖骨の内側のリンパ節に転移・・ステージ3a~ステージ3b
  • 遠隔転移しており、他の臓器にも転移している・・ステージ4

以上の知識を踏まえて、リンパ節転移した乳がんの生存率を見てみましょう。データとしては「乳腺クリニック児玉外科」さんのものをお借りしています。

乳がんが転移した時の生存率・死亡率

引用:http://www.kbc-hakubai.jp/treatment/treatment1.html

上図を見れば分かるように、ステージごとの5年生存率は以下の通りになっていますね。

  • ステージ2a・・約93%
  • ステージ2b・・約89%
  • ステージ3a・・約73%
  • ステージ3b・・約70%
  • ステージ4・・約50%

数字を見れば分かるように、乳がんがより遠くのリンパ節に転移しているほど、生存率・再発率が高くなっていることがわかります。

ただし、このデータは、あくまでも「色々な健康状態、年齢の患者さんのデータを集めた統計」に過ぎないので、あなたの生存率を100%正確に表しているものではありません。「治療に対して前向きに考えていけるか」「腕の良い医師に診てもらえるか」などで生存率は大きく違ってきますよ。

ちなみに、上の表では10年間の生存率が書かれていますが、がんは治療して5年以内に再発することが多く、それ以降は再発もほとんどなく医師も「がんは完治できた」と判断するので、10年生存率よりも5年生存率を重視する傾向があります。

リンパ節転移の乳がんの治療法とは?

リンパ節転移した乳がんの治療法は、ステージによって以下のように違ってきます。

  • ステージ2、3a・・基本的に外科手術を行う。手術の前後に抗がん剤orホルモン治療を行う場合がある。
  • ステージ3b、4・・手術は行わない。抗がん剤治療やホルモン治療でガンを抑えるようにする

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ステージ2、3aの乳がんの治療法

基本的には、乳がんの手術は他の治療よりも「外科手術」が最優先されます。なぜなら、外科手術は他の治療と違って、医師が直接ガンを見ることができ、より確実に体外に出すことができる治療法だからです。

しかし、外科手術は目に見えるガン細胞を切除できるものの、目に見えない・検査で確認できない極小さなガン細胞は取り除くことができません。なので、そのような極小のガン細胞を取り除くために、手術の前後に抗がん剤治療やホルモン治療、放射線治療などを行います。

「手術の後に抗がん剤をするって、思ったよりもガンが悪かったの?」と不安になる患者さんもいますが、あくまでも手術前後の抗がん剤などの治療は、目に見えないガン細胞を殺して再発率を低く抑えるためなので、安心してください。

東京女子医科大学の板橋道郎先生も、手術後の抗がん剤について以下の様な見解を述べています。

術後補助化学療法が、すべての大腸がんの再発予防に効果があるかどうかについては、まだ確認されてはいません。ただし、リンパ節転移がある大腸がんに対しては、再発を予防し、生存期間を延長する効果があるとされています。がんの進行具合などから、再発の可能性が高いと判断された場合、術後補助化学療法は一般的に広く行われています。

引用:手術後に抗がん剤が必要と言われました:がんナビ

上の引用では大腸がんについて述べられていますが、乳がんと大腸がんは場所が違いだけで根本的には同じガンなので、乳がんにも再発予防効果は期待されています。

ステージ3b、4の乳がんの治療法

ステージ3b、4の乳がんの場合は、すでに全身にガン細胞が行き渡っている可能性があるので、積極的にがんを根治していく治療はしません。あくまでも、ガンの進行を食い止める・寿命を延ばすと言う治療方針になります。

抗がん剤には色々種類があり、治療効果が出やすいもの、副作用が大きいor小さなものなど様々です。ここ数年の抗がん剤治療では、2~3種類の抗がん剤を組み合わせることで、副作用を最小限に抑えつつ治療効果を上げる方法がとられています。

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