[2022年版]乳がんが骨転移した時の余命や症状、治療法などを分かりやすく解説
あなたは、「乳がんが骨転移をしたみたいだけど、この先どうなるの?」と、不安を抱えていませんか?
そこで今回は、乳がんが骨転移した時の余命・生存率や症状、治療法などについて、医学に詳しくない人にも分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
乳がんが骨転移した時のステージは何なの?
乳がんが骨転移した時の生存率の解説の前に、まずは、乳がんの「ステージ」について理解しておきましょう。
乳がんのステージとは、「乳がんがどれくらい進行しているか」の基準となるもので、ステージ1〜4まであります。(ステージ1が早期がん、ステージ4が末期がんで、数字が大きくなるほど症状も進みます。)
そして、「乳がん|がんに関する情報|がん研有明病院」の記事によると、乳がんのステージは以下の基準で決定するのですが、下の画像を見ると分かるように、「乳がん以外の他の臓器(骨)に転移があるもの」はステージ4(4期)となります。
乳がんが骨転移した時の余命・生存率はどれくらい?
先ほどの説明で言ったように、乳がんが骨転移した時はステージ4になっていますが、乳がんのステージ4の5年生存率は10%程度となっています。
(注:5年生存率とは、ガンが発生してから5年経って生存している確率。医師の間では、5年はガンが治ったかどうかの1つの目安とされています。)
実際に、「乳腺外科/医療法人 早徳病院」さんのデータによると、乳がんが骨転移(ステージ4)した時の5年生存率は、8.3%となっていますね。
また、グラフを見て分かるように、乳がんになって最初の2年間で生存率がガクッと下がっていますが、5年を経過した後は生存率が8.3%をキープしていますよね。(つまり、ガンが治ったor収まった)
なので、乳がんの骨転移は、この5年間をどう頑張れるかがカギ、と言えそうですね。
乳がんが骨転移したら、どんな症状が出るの?
乳がんが骨転移した時には、基本的に骨関係の症状が出ることが多く、具体的には以下の症状があります。
- 骨折、骨の痛み
- 手足のしびれ、麻痺
- 高カルシウム血症
骨転移による骨折や骨の痛みは、激しい痛みに襲われる事が多く、比較的分かりやすい自覚症状となっています。
高カルシウム血症とは、「乳がんが転移した骨のカルシウムが溶けてしまい、血液中のカルシウム濃度が高くなる症状」のことです。
血液中のカルシウム濃度が高くなると、「のどが乾きやすい、胃がむかむかする、尿の量が多い、お腹が張る、便秘気味」などの症状が出て、徐々に脱水症状が強くなって腎臓にも負担がかかるので、早めの治療が必要です。
もちろん、「乳がんに関係なく、ただの便秘だった」みたいなケースもありますが、どんな些細な不安でも、とりあえず信頼できる医師や看護師に相談する、と言う姿勢は乳がんの治療では大事になってきますよ。
乳がんが骨転移した時の治療法とは?
実際に、乳がんが骨転移した時の治療法には、
- 抗がん剤治療
- 分子標的治療(抗がん剤の弟分みたいな治療法)
- ホルモン治療(女性ホルモンが作られるのを抑える治療法)
の3つの内、どれか1つを行います。
「骨転移の乳がんに外科手術はどうなのよ?」と疑問に感じるかもしれませんが、基本的に骨転移の乳がんの場合は、ガンを治すための外科手術は行いません。(骨の痛みを和らげるために、骨を削るみたいなことは行う場合があります)
なぜなら、乳がんが骨転移をする時には、「リンパ管」と言う血管みたいなものを通って転移するのですが、このリンパ管は全身に張り巡らされているので、乳がんが骨に転移した段階では、すでに全身にがん細胞が飛び散っている可能性が高いからです。
なので、「外科手術で乳房や骨を切除する」と言う治療法は効果がなく、抗癌剤治療やホルモン治療などの全身に効果がある治療法が選ばれているのです。
また、治療時には、骨折のリスクを減らしたり骨の痛みを和らげるために、「ゾレドロン酸(別名:ゾメタ)」や「デノスマブ(別名:ランマーク)」などの薬を使ったりします。
詳しい治療法の効果や副作用などについては、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:乳がんでの分子標的薬の効果や副作用、費用などを分かりやすく紹介する
参考記事:乳がんにおけるホルモン療法の効果・副作用や薬の種類を紹介する
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