胃がんの手術後に起こり得る4つの合併症を紹介する
あなたは、「胃がんの合併症はどうして起こるのか?どんな合併症があるのか?」などと、不安に感じていませんか?
そこで今回は、胃がんの合併症が起こる理由や、4種類の合併症の特徴や対策法を紹介していきます。
ぜひ、参考にしてください。
そもそも、合併症とは何なのか?
そもそも、合併症とは何かと言うと、医師がベストを尽くしたとしても、手術後に起こり得る症状のことを言います。
「合併症って、医師のミスで起こるものなのでは?」と思う方も多いですが、医療ミスはやるべきことをやらなかった事で起こるもので、合併症は「現在の医学で最善と言われる方法を尽くしても起こり得るもの」と言う決定的な違いがあるのです。
wikipediaでも、合併症について以下の様な説明があります。
この意味での合併症を医療過誤や医療事故と勘違いする患者が後を絶たない(19.1%)が、最大限の注意を払って最善の治療を施しても回避不可能であるという点で異なり、いわば「医学の限界」とも呼ぶべきものである。
胃がんの合併症の4パターンとその対処法
では、胃がんにおいて、どのようなパターンの合併症があるのか、その対処法はあるのかを見ていきましょう。
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縫合不全
縫合不全とは、胃がんを切除した後に胃と食道(または小腸)を糸で縫った部分が、臓器の緊張状態や血流の不良などの影響で縫った部分が開いてしまう合併症です。
胃がんの手術は、胃の一部を切り取ることでガン細胞を取り除くわけですが、切除した後に胃と食道(小腸)を、再び繋ぎ合わせる必要があります。
この縫合不全の対処法として挙げられるのが、手術後の絶食や、口から胃にチューブを入れて消化液を外に出す、と言う方法があります。
膿瘍
膿瘍とは、胃がんと一緒に切除した「膵臓(すいぞう)」から膵液が流れ出てしまい、たんぱく質や脂肪でできた体の組織を溶かして、膿を作ってしまう合併症のことです。
胃がんの手術では、がんの進行具合によって胃がんだけでなく、胃の周辺のリンパ節や肝臓、膵臓も一緒に手術する場合があります。
膵臓は胃のすぐ後ろにある臓器で、強力な消化液を持っている臓器です。なので、手術後に膵臓から液が漏れてしまうと、体にダメージを与えることになるので、その時は再手術を行います。
狭窄(きょうさく)
私たちが普段の生活を送っている時に、こけたり擦りむいたりしてケガをしてしまっても、体にはカサブタを作ってケガを治す「自己治癒力」が備わっています。
さて、胃がんの手術も結局の所は、医師が専門的な知識を持ったうえで、体を傷つけている行為に変わりはありません。
つまり、胃がんの手術後にも、体は「自己治癒力」を発揮しようとするので、切除した部分にカサブタの様なものができてしまう時があります。
この「狭窄」と呼ばれる合併症になった時には、食べ物が途中で詰まったり吐いてしまったり等の症状が出ます。
普通の狭窄であれば自然と回復するので安心ですが、それまでは一気に食べ物を飲み込まない、よく噛んで食べる等の配慮は必要になってきます。
肺炎
肺炎は、長年タバコを吸っている人・高齢者・肺の病気を持っている人に起こりやすい合併症だ、とされています。
胃がんの手術前には全身麻酔をするので、気管支にタンが溜まりやすく、その影響で肺炎のリスクが生まれると考えれられています。
予防としては、手術前にタンを出す練習をしたり、あらかじめタンを出しておく、と言うのがあります。
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