肝臓がんの放射線治療の効果や副作用、3つの種類について詳しく説明する
あなたは肝臓がんの放射線治療を行う前に、「本当に放射線治療は自分のガンに効くのだろうか?もっと良い方法はないだろうか?」と、不安に感じていませんか?
そこで今回は、肝臓がんにおける放射線治療の効果や副作用、種類について、医療の知識がない人でも分かりやすく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。
肝臓がんで放射線治療を受ける効果や副作用とは?
放射線治療は、肝臓がんが大きくなったり転移した患者さんに行われる治療法で、「ガンは熱に弱い」と言う性質を利用して、放射線の熱でガン細胞を破壊しよう、と言う狙いがある治療法です。
ある程度治療範囲が広いので、肝臓がんが転移したりガンが肥大化した患者さんでも行えるのもメリットの1つと言えます。
「大船中央病院放射線治療センター」の下のデータによると、ガン細胞が大きい肝臓がんでも、3か月後にガンが小さくなる効果が表れて、18カ月後にはガン細胞がかなり減っていることが分かります。(もちろん、個人差はあります)
肝門部に比較的大きな腫瘍が存在する患者さんです。
左図の虹色の分布は放射線線量の等高線です。腫瘍には多く照射され、その近傍にも少し照射されます。右図は治療後に経過観察で撮影したCTです。肝門部の腫瘍が徐々に小さくなったことが示されています。3年以上経過していますが、コントロール良好です。引用:大船中央病院放射線治療センター-肝臓がんの放射線治療
ただし、放射線はガンにだけ効くものではなく、私たちの健康な細胞も傷つけてしまうので、副作用が現れます。例えば、「吐き気や皮膚炎、肝不全、胃腸の潰瘍」などが治療開始の2~3週間後の時期に現れます。
肝臓がんの放射線治療の3つの種類
放射線治療は1種類だけではなく、「どのようにして肝臓に放射線を浴びせるか」によって、大きく分けて3つの治療法があります。
以下は、それぞれの治療法を見ていきましょう。
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標準治療
X線(レントゲンとかの)やガンマ線、電子線をガン細胞に浴びせる標準的な治療法で、肝臓がんにはX線を浴びせることが多いです。
一昔前は、「肝臓ガンが放射線に強いから、ガン細胞よりも患者の体の方が放射線に耐えられない」と言われていましたが、最近では放射線の機械の性能が上がり、より一層、ガン細胞をピンポイントに放射線を当てるようになったので、副作用が小さく治療効果が高い方法として確立されています。
今では、「回転照射」と言って、レーザー部分を回転させることで様々な角度・場所から放射線を打てるので、より効果が上がっています。
ラジオサージェリー(ラジオ波)
ラジオサージェリーとは、一度に様々な角度から放射線を一気に浴びせる治療法のことで、放射線の量が増える分だけガン細胞を死滅させる効果が強くなりますが、その反面、副作用も大きくなるリスクがあります。
ラジオサージェリーは、肝臓がんが3センチ以下と小さい場合に完治を目指す時や、肝臓がんが進行した影響で、肝臓の血管がガン細胞でふさがった時の対応として扱われることが多いです。
ラジオサージェリー(ラジオ波)については、「肝臓がんのラジオ波治療の特徴や副作用を紹介していく」で詳しく解説しているので、ぜひ参考に!
小線源治療
肝臓がんで小線源治療を行うのは珍しく、主に子宮がんや前立腺がん等に用いられる方法です。
小線源治療は、ガン細胞がある臓器(肝臓がんなら肝臓)の中に放射線を放出する物質を送り込んで、その臓器の中で放射線を浴びせる治療法のことです。
特定の臓器だけでに放射線を浴びせれるので副作用が小さいメリットがありますが、元々から肝臓が放射線強い性質も持っているので、あまり実用的ではありません。
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