肝臓がんのエタノール注入法を分かりやすく解説する
あなたは、「肝臓がんを治すためにエタノール注入法をやるけど、実際にどんな治療法なのだろうか?」と疑問を感じていませんか?
そこで今回は、肝臓がん患者さんのために、エタノール注入法の効果や生存率、副作用などを分かりやすく解説していきます。
ぜひ、今後の治療の参考にしてください。
肝臓がんでエタノール注入法を行うメリットとは?
エタノール注入法のメリットには、患者さんの負担が少ないことが挙げられます。
肝臓がんの治療では、外科手術ではお腹を開けたり、抗がん剤治療では健康な細胞も一緒に壊死させたりと、患者さんの体に大きな負担がかかるものが多いのが現状です。
しかし、エタノール注入法は、皮膚から長い針を肝臓まで通して、そこからエタノールを入れる治療法なので、体をあまり傷つけないで済むし、がん腫瘍以外の細胞の破壊も最小限にとどめることができます。
エタノール治療法の生存率・再発率
エタノール治療法の生存率は、1年生存率が85~95%、5年生存率が50%と、肝臓がん全体と比較しても良好な結果が得られます。
特に、ガンの大きさが2㎝以下の肝臓がんの場合では、外科手術で肝臓を切除した場合と同じ治療効果があるとされています。(がん治療では、外科手術が最も理想とされています)
ただし、エタノール注入法は、
- 他の治療法と併用して行うことが多い
- 早期がん等の、進行が進んでいない場合に行うことが多い
と言う特徴があるので、全ての肝臓がんに有効だと考えるのは危険です。
どんな人がエタノール注入法を受けるのか
エタノール注入法は、肝臓がんのほとんどの患者さんが受けることになります。場合によっては、肝臓の機能が悪い人でも受けることになります。
しかし、以下の4つの項目の内、どれか1つでも当てはまる場合は、他の治療でがんを治すことになります。
- 出血しやすい
- 重度の黄疸がある
- 体がエタノールに対して過剰な反応を示す
- 治療しても腹水が治らない
また、エタノール注入法で効果が期待できるのは、「ガン細胞が3つ以下で、1つのガン細胞の大きさが3cm以下」の場合です。この場合は、積極的に治療を行います。
しかし、ガン細胞が4つ以上あったり、ガンの大きさが3センチ以上の場合は、がん腫瘍の内側に壁ができていて、エタノールが行き届きにくい場合があるので、他の治療法と併用して行うことになります。
エタノール注入法による副作用
エタノール注入法による副作用には、主に以下の4つがあります。
- 痛み
- 発熱
- 肝臓の機能の低下
- 急性アルコール中毒
エタノール注入法では、皮膚から肝臓に向けて針を刺すわけなので、針を抜く時に、注入したエタノールが肝臓から漏れるのが原因で痛みを感じる場合があります。
その時の痛みは一時的な場合が多いですが、痛みが長続きする場合は鎮痛剤を投与します。
また、患者さんの半数以上が治療の翌日に、37~38度の熱を出します。
アルコールに弱い人の場合は、お酒に酔った感覚になったり急性アルコール中毒になる場合があります。この場合は、輸液(点滴で水分補給)などの治療を行います。
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