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肺がん

肺がんが進行すると痛みを感じる原因や痛み止めによる緩和法

肺がんの痛みの原因や対策

あなたは、肺がんになってから骨や背中、腕などに痛みを感じていませんか?

そこで今回は、肺がんによる痛みの原因や、痛み止めによる痛みの緩和方法などを分かりやすく紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

なぜ、肺がんが進行すると痛みを感じるのか?

なぜ、肺がんが進行すると、肺に痛みを感じるようになるかと言うと、ガンが肺の外まで侵入したり、骨に転移しているのが原因です。

肺がんが進行していくと、肺の外側に染み出たり多方面に転移したりします。その時に、左右の肩や胸、お尻の骨などに転移した場合は、激しい痛みを感じることが少なくありません。

また、肺がんが大きくなって肺の外にガン細胞が侵入すると、肋骨近くの神経を刺激して、肋骨の上の皮膚が痺れるような感覚や、少し触っただけで痛くなる場合があります。

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治療によって肺が痛くなる場合もある

肺がんによる痛みは、肺がんそのものの影響だけでなく、治療が原因で起こる場合もあります。

例えば、開胸手術をした後に、痛みを感じる時もあります。ただ、この場合の痛みは1週間前後で消えることが多いので、心配する必要はありません。(まれに痛みが長引く場合もありますが、その時は医師に要相談)

他にも、抗がん剤治療の影響で痛みを感じることもあります。

痛み止めによる緩和法

肺がんによる痛みを感じた場合には、通常は検査をして、どのくらいの痛みを感じているのかを、専門家が客観的にチェックしていきます。

そして、痛みの度合いによって、第1段階(軽度)から第4段階(重度)の4段階に分けて、適切な緩和治療を行っていきます。

第1段階の緩和法

第1段階の軽度の痛みの場合は、『アセトアミノフェン』や『NSAIDs』と言う痛み止めを使って治療を行います。

アセトアミノフェンは、市販の風邪薬にも使われるくらい副作用が少ない薬で、主に炎症や痛みを抑える効果が期待できます。

作用のおだやかな解熱鎮痛薬です。皮膚の血管を広げて熱を放散させる作用や、脳の痛みの感受性を低下させる作用があります。ただし、対症療法薬ですので、熱や痛みの原因そのものを治すことはできません。

引用:アセトアミノフェン:カロナール

NSAIDsもアセトアミノフェンと同様に、炎症を抑える効果があります。

第2段階の緩和法

中程度の痛みである第2段階では、主に『コデイン』と言う薬を使っていきます。コデインは、痛みを和らげる効果がやや強めで、咳を抑える効果もあります。

また、コデインは「麻薬性中枢性鎮咳薬」と言う薬の仲間ですが、麻薬と言っても医療用に使うものなので、心配はいりません。

第3段階の緩和法

第3段階の痛みでは、『モルヒネ』を使います。モルヒネは、脳や脊髄などに作用するので、鎮痛薬の中でも最も効果を発揮します。

モルヒネは脳に働かける薬なので、使用量や使い方を調整することで、大半の痛みに対応することが可能です。

モルヒネと聞くと麻薬のイメージがありますが、医療用モルヒネは決して危険なものではなく、専門家が適切な知識を持ったうえで使用するので、がん治療に役立つものです。

例えば、モルヒネを使って痛みを軽減したおかげで、精神的に楽になり、がん治療も良い方向に向かっている患者さんもいるほどです。

第4段階の緩和法

上記3つの方法で痛みが取れない場合は、『神経ブロック療法』と言う緩和方法を行います。

神経ブロック療法とは、痛みを感じている神経に直接注射で麻酔をかけて、痛みを感じるのを防ぐ治療法です。

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