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肝臓がんにおける抗がん剤治療の種類や効果を紹介する

肝臓がんの抗がん剤治療

あなたは、肝臓がんの治療で使う抗がん剤の種類やその効果について、あまりよく知らないのではないでしょうか?

そこで今回は、肝臓がんにおける抗がん剤治療の種類や効果について、分かりやすく紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

肝臓がんで行う2つの抗がん剤の治療法

「抗がん剤を使う」と聞くと、点滴を打つイメージがありますが、肝臓がんの治療で抗がん剤を使う際には、大きく分けて以下の2つの方法があります。

  • 動注療法
  • 全身化学療法

動注療法とは、肝臓付近にあるガン細胞に栄養を送っている血管に、直接抗がん剤を注ぎ込む治療法です。

抗がん剤はガン細胞だけでなく健康な細胞も攻撃してしまうので副作用も大きくなりがちですが、動注療法だと、抗がん剤が行き渡る範囲を狭くできるので副作用も小さくなるのがメリットです。

参考記事:肝臓がんのカテーテル治療(動注療法)の効果や副作用を解説していく

ただし、動注療法はピンポイントに血管にガン細胞を注ぎ込む必要があるので、医師の技術が問われる治療法とも言えます。

また、動注化学療法は高濃度の薬剤を目的とする部位に集中的に投与しようとする治療法ですから、薬剤を正しく注入するための技術が極めて重要です。特に抗がん剤の場合には目的以外の部位に薬剤が流入すれば強い副作用が出現することもあり注意を要します。

このため、この治療は十分に経験のある医師により行われる必要がり、この点では特殊な治療法であると言えます。

引用:リザーバー研究会|動注化学療法

また、全身化学療法とは、その名の通り、全身に抗がん剤を投与する治療法です。

こちらは副作用が多く、動注療法ほどの効果が得られないので、「全身にがんが転移した場合」などの限られた状況の時に行うことが多いです。

どちらの抗がん剤治療の方法にしても、肝臓がんの完治を目指すよりもこれ以上ガンが進行するのを食い止める、と言う目的で行うことが多く、主にステージ4の肝臓がんの場合に行われます。

肝臓がんで使う抗がん剤の種類や効果

肝臓がんの治療で抗がん剤を使う場合は、基本的には2種類の抗がん剤を組み合わせて治療を行っていきます。

では、どのような薬の組み合わせがベストなのかは未だ分かっておらず、患者さんのガン細胞の状態によって、効果に違いがあります。

ここでは、代表的には抗がん剤の組み合わせとその効果を見ていきましょう。

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低用量FP療法

低用量FP療法とは、代謝拮抗剤の「フルオロウラシル」と言う薬と、プラチナ製剤の「シスプラチン」を少量ずつ組み合わせる治療法です。

普通抗がん剤は3~4週間に1回の頻度で使いますが、この低用量FP療法はほぼ毎日使うことになります。
その代わり、治療効果がある確率が50%と高く、ほとんどの病院でこの組み合わせを採用しています。

しかし、抗がん剤の「シスプラチン」はがんを退治するのに大きな効果がありますが、その分だけ副作用になる確率も高く、腎臓が悪い患者さんは使えません。

シスプラチンの副作用のうち、90パーセント以上という高確率で見られるのが、吐き気や嘔吐です。そのため投与前には、制吐剤が使われています。
また腎毒性が強く、腎機能障害も起こりやすいため、投与前と投与後には十分な輸液が必須です。

引用:シスプラチン(ブリプラチン・ランダ・プラトシンなど)の効果・効能・副作用など | 抗がん剤のき・ほ・ん

FEM療法

FEM療法とは、

  • フルオロウラシル
  • エピルビシン
  • マイトマイシン

と言う3つの抗がん剤を使った治療法です。

その中でも「エピルビシン」は、心臓に障害を与えるリスクがあるので、長期間の投与はできません。

強い骨髄抑制を持つ薬なので、感染症や貧血、出血傾向などに注意が必要です。また、アントラサイクイン系の共通点として、心臓に障害を及ぼしやすい特徴があります。

引用:エピルビシン(ファモルビシン)の特徴と副作用

-肝臓がん

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