肝臓がんのラジオ波治療の特徴や副作用を紹介していく
肝臓がんの治療の1つに「ラジオ波治療」と言うのがありますが、あなたはこの治療について、どれくらい知っていますか?
自分に合った肝臓がんの治療法を見つけて、納得のいく治療をするためにも、この記事を読んでラジオ波治療に関する知識を身につけていきましょう。
ラジオ波治療の特徴とは?
肝臓がんの治療の時に行う「ラジオ波治療」とは、放射線治療の1つです。
「放射線」と聞くと、原爆とか原子力発電の事件にような悪いイメージがありますが、正しく使うと、レントゲン撮影に使ったり、がん治療に使える優れた道具なのです!
私たちの体は、無数の「細胞」によって作られているわけですが、何かしらの影響でこの細胞が「がん細胞」に生まれ変わる瞬間があります。
ラジオ波治療では、ガン細胞に放射線を当てることで、そのがん細胞の働きを無くして、これ以上がん細胞が増えるのを防ぎつつ、がんを小さくしていくのを目的としています。
また、お腹を切るような大掛かりな手術ではないので、患者さんの負担が小さく、体が弱りがちなお年寄りでも治療を受けれます。
がんの研究をされている国立がん研究センターさんも、放射線治療に関して以下のような意見を述べています。
放射線治療の利点は、手術によって切除することなく、がんに対して治療効果を期待できることで、臓器をそのまま残したり、臓器の働きをがんになる前と同じようにしておけることです。
がんの種類によって放射線治療の効果(効きやすさ、治りやすさ)は大きく異なり、治療の場所などによって副作用の起こり方もさまざまです。
病期などでわかるがんの状態、体調やこれまでの治療の内容などをもとに、放射線治療を行うかどうか、また、どのように行うかについて検討されます。
ラジオ波治療の流れ
ラジオ波治療では、放射線をがん細胞に正確に当てなければいけません。なぜなら、もし、健康な細胞に放射線を当ててしまうと、その細胞が死滅して体の機能の低下に繋がるからです。
そのため、患者さんは治療を行う際に、体を動かさないようにする固定具を付けさせられることになります。人によっては、呼吸による体の動きを抑える固定具も付けられるでしょう。
1回の治療では、30分以上はかかると考えてよいです。
また、いくら固定具で固定をしても、正常な細胞が放射線にやられるリスクは避けられません。
なので、通常は1回でラジオ波治療を終わらせず、3~6回ほどに分けて治療を行います。
ラジオ波治療のデメリットとは?
このように患者さんの負担が小さいのが魅力のラジオ波ですが、もちろんデメリットもあります。
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治療効果が表れるまで時間がかかる
ラジオ波を含めた放射線治療は、放射線ががん細胞に効果が出るまでに時間がかかります。
なぜなら、放射線自体にはがん細胞を直接殺す効果はなく、あくまでも、「がんが増えるのを防ぐ→がんが大人しくなるのを待つ」と言う流れになるからです。
副作用が出るのが遅い
ラジオ波治療は、他の肝臓がんの治療に比べて副作用が出るのが遅いです。ラジオ波では、通常2~3週間、遅い時は半年以上して深刻な副作用を起こす人もいます。
副作用の例としては、「皮膚炎、肝臓の異常、胃腸の潰瘍」などが挙げられますが、ラジオ波が副作用になる理由は「肝臓が元々放射線に弱いからだ」と言われています。
なので、なるべく肝臓に放射線の負担をかけないように、通常は肝臓がんの腫瘍が3センチ以下の場合にラジオ波治療を行う場合が多いです。
東大教授である國土典宏先生も、ラジオ波の副作用(合併症)にたいして、以下のような見解を述べています。
ラジオ波熱凝固療法が従来のエタノール注入療法に比べて優れていることは、多くの研究で明らかになっています。そのため、病巣が3cm以下で、なおかつ様々な理由で手術ができない患者さんの肝細胞がんに対するベストの治療はラジオ波熱凝固療法であると言えます。
しかし、腫瘍の場所によっては、合併症を起こす危険性があるため、ラジオ波熱凝固療法が適さない場合もあることを認識する必要があります。
もちろん、ラジオ波には上に挙げたデメリットの他にも、上記した様々なメリットもあります。
なので、「自分のがんがラジオ波治療が適切なのか?他の治療法が良いのか?」と言うのは、担当医に相談したり、色々な病院で聞いて、自分の納得できる治療法を探すのが良いのです。
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