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肺がん

小細胞肺癌を完治させる方法や抗がん剤、余命などの情報4つ

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あなたは、小細胞肺がんができていると診断されて、「これからどうすれば良いの?小細胞肺がんは治るの?」と心配になっていませんか?

そこで今回は、小細胞肺がんの特徴や症状、完治させる方法、抗がん剤について等の様々な情報を分かりやすく解説していきます。

ぜひ、参考にしてください。

小細胞肺がんの特徴は?どんな症状が出るのか

小細胞肺がんとは、1つ1つの小さいガン細胞が密集しているタイプの肺がんで、リンパ節や他の臓器に転移するスピードが速い特徴があります。

他のガンに比べて1つ1つのガン細胞の生命力が弱いので、抗がん剤や放射線治療の効果が効きやすいですが、その反面、再発や転移もしやすい傾向があります。

主な自覚症状に「せき、胸痛、発熱、声が出にくい、食べ物や飲み物が喉を通りにくい」などが挙げられます。

また、「自覚症状があるから末期だ」と言うわけではなく、肺のどの場所にガンが発生したかで自覚症状が出やすさが違ってきます。

例えば、肺の入り口の太い気管支にガンができる「肺門型」は、早期の段階で自覚症状が起きやすいですし、肺の奥の方にできる「末しょう型」は、ガンが進行してから自覚症状が起きます。

小細胞肺がんの生存率や余命はどれくらいなのか?

小細胞肺がんの生存率や余命は、あなたのガンがどれだけ進行しているかで全く違ってきます。

「大阪市立総合医療センター」さんのデータによると、早期ガンであるステージ1aの肺がんであれば、5年生存率は約80%と高く完治も望めますが、ステージ4の末期がんになると5年生存率は20%程度とかなり厳しい数字になっていることが分かります。

小細胞肺がんのステージ別の5年生存率

もちろん、生存率のデータはあくまでも1つの目安に過ぎませんが、「自分のガンは完治を目指すべきなのか、それとも少しでもガンの苦痛を和らげる段階なのか」の判断をする材料にはなります。

特に、ステージ2、3の小細胞肺がんの場合は、どんな病院・医師のもとでどの治療法をするかで治療結果が大きく変わってくる可能性があるので、自分の住んでいる地域の病院の情報を十分に調べたうえで、最適な治療法を選ぶ必要があります

小細胞肺がんは完治できるガンなのか?

小細胞肺がんは完治できるかと言えば、あなたのガンが「限局型」か「進展型」なのかで違ってきます。

以下は、それぞれのタイプに分けて詳しく説明していきます。

限局型の小細胞肺がんの治療法

限局型とは、ガン細胞がガンができた場所に留まっているガンのことです。
具体的に言えば、右の肺にガンを見つかった場合、ガン細胞が他の臓器や左の肺に転移せずに、右の肺だけに留まっている状態のことを言います。

限局型の小細胞肺がんの治療では、主に「抗がん剤+放射線治療」でガンの縮小、完治を目指していきます。
小細胞肺がんは抗がん剤と放射線を組み合わせた治療法が最も効果が高く、治療効果が認められる奏効率は90%と言われています。

小細胞肺がんは抗がん剤の効果が良好なため、病変が片肺に止まっている「限局型」では抗がん剤治療と放射線治療の併用療法が、遠隔転移がある「進展型」ではプラチナ製剤を含む抗がん剤治療が治療の中心です。

限局型では、抗がん剤と放射線の併用で治癒も期待できるようになりました。進展型を対象とした国内臨床試験では、シスプラチンとイリノテカン併用療法で奏効率89%、生存期間中央値は13.8ヵ月でした。

引用:がん(癌)と共に生きる リリーがん情報タウン

「生存期間中央値は13.8ヵ月」とありますが、これは早期ガンや末期がんを含めた数値です。

もちろん、早期で発見されればされるほど治療効果が高くなり、完治する確率も高まります。

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抗がん剤はどのように使われるのか?

小細胞肺がんの治療では、2種類の抗がん剤を使って治療を進めていきます。
抗がん剤の組み合わせは色々ありますが、現段階で最も有力なのは、「シスプラチン」と「エトポシド」と言う抗がん剤です。

抗がん剤はずっと病院で点滴を打つのではなく、「最初の1週間はシスプラチン、2週間目やエトポシド、3週間目は休養」と言う1セットを「1クール」と呼び、これを3~4クール繰り返すと言う方法で行います。

小細胞肺がんで抗がん剤を使うと、最初の2,3日で最も副作用(嘔吐、だるさ等)が激しく出ますが、1週間経つと徐々に体が慣れてくる傾向があります。

肺がんの抗がん剤については、「肺がんの治療で使う抗がん剤の種類や特徴を紹介していく」で詳しく紹介しているので、参考にしてください。

進展型の小細胞肺がんの治療法

進展型とは、骨や脳、他の臓器にガン細胞が転移している状態のことで、完治は非常に難しい状態だと言えます。

なぜ、完治が難しいかと言うと、肺以外の場所に転移しているという事は全身に転移している可能性があるからです。

ガン細胞はリンパ節や血管を通って他の臓器の転移していきますが、リンパ節や血管は全身に巡るように流れているので、その流れに沿ってガン細胞も全身を回るのです。

進展型の場合の治療法は、抗がん剤を使った化学療法が中心になります。
使用する抗がん剤は、限局型のガンと同様に「シスプラチン」と「エトポシド」を併用するのが最も有効だ、とされています。

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