がんブック〜がんの専門ブログ

がんの情報を分かりやすく解説

前立腺がん

前立腺がんの2つのホルモン治療法と副作用を紹介していく

前立腺がん ホルモン治療

あなたは、「前立腺がんにホルモン治療は本当に効果があるの?副作用は大丈夫なの?」と心配になっていませんか?

そこで今回あh、前立腺がんのホルモン治療を行う前に知っておきたい、治療の目的や効果、副作用について分かりやすく紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

なぜ、前立腺がんでホルモン治療をする必要があるのか?

前立腺がんで完治を目指す場合は、他のガンと同様に「外科手術」を第一に考えます。なぜなら、外科手術を行えば、抗がん剤治療と違い、直接ガン細胞を体外に取り出せるので完治率が高いからです。

しかし、前立腺がんが骨やリンパ節、他の臓器に転移した場合は外科手術をするのは難しく、第2の治療法として「ホルモン治療」が選ばれるのです。

普通、ガンの治療と言えば抗がん剤を使うイメージがありますが、副作用は大きい上に、前立腺がんに対しては効果が期待できないので使いません。

しかし、ホルモン治療は、1941年にアメリカのチャールズ・ハギンス博士が精巣を摘出する手術をすると、前立腺がんを抑えることに成功して、「男性ホルモンを抑えればガンも抑えられる」という事が分かって以来、今でも治療効果が認められいる方法です。

(現在は、精巣を摘出しない方法で治療をしていきます)

2つのホルモン治療のやり方とは?

前立腺がんでホルモン治療をやる方法は、

  • 注射剤「LH-RHアナログ薬」を使う
  • 飲み薬「抗アントロゲン」を使う

この2つの内どれか、または両方の治療法を行うことになります。以下は、2つの治療法の特徴を見ていきましょう。

LH-RHアナログ薬

LH-RHアナログ薬とは、精巣に働きかけて、男性ホルモンの分泌させる薬のことです。

薬で無理やり男性ホルモンを分泌させることで、一時的に男性ホルモンの量が増加しますが、精巣が「勝手にホルモンが作られているから、オレは働かなくていいや」と思うようになって、男性ホルモンを分泌しなくなるようになります。

LH-RHアナログ薬として主に使われる薬には、「酢酸ゴゼレリン(商品名:ゾラデックス)」や「酢酸リュープロレリン(商品名:リュープリン)」があります。

これらの薬を使うことで起こり得る副作用には、「筋肉・体力の減少、性欲減少、勃起障害、女性の更年期障害に似た症状」などがあります。

女性の更年期障害とは、イライラしたり、顔や体が熱くなったり、汗をかきやすくなることですね。ちなみに、性欲が低下しても女性みたいな体になるとか、女性を異性として見れなくなる等の症状がありません。

ただし、男性ホルモンがなくなるのでセックスに対する興味はほぼ完全に失われるので、パートナーの理解が必要になってくるでしょう。

抗アントロゲン

男性ホルモンは、精巣だけでなく「副腎」と呼ばれる臓器からも作られています。副腎とは、腎臓の少し上にある臓器のことで、ストレスから身を守ったり、血圧を正常にするホルモンを分泌している臓器でもあります。

この副腎から分泌される男性ホルモンを抑える働きをするのが、「抗アントロゲン」と言う薬になります。

代表的な薬として、「ビカルタミド(商品名:カソデックス)」や「フルタミド(商品名:オダイン)」、「酢酸クロルマジノン(商品名:プロスタール)」があります。

これらの薬の副作用には、「性欲低下、勃起障害、筋肉・体力の低下」が考えられます。

間欠療法を行うと言う選択肢も考えるべき

以上のようにホルモン治療は、副作用も抗がん剤ほど深刻でなく効果がある万能の治療法のように感じますが、ガン細胞には環境適応能力があるので、数年経ったころにはホルモン注射や飲み薬が効かなくなってしまいます。

なので、なるべくホルモン治療の効果期間を長くしようと言うのが「間欠療法」です。

具体的には、ホルモン治療で効果が出たら、しばらくホルモンを使うのを止めて、またガンが大きくなり始めたら、また使い始める、と言う風に休み休みにホルモン治療を行う、という事をやっていきます。

この治療法は最近考え出された治療法なので、現在は効果が本当にあるか検証段階なので、間欠療法の厳密な評価はもうしばらく待つ必要があります。

-前立腺がん

関連記事