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大腸がん

ステージ1の大腸がんの3つの治療法や生存率、抗がん剤について

ステージ1 大腸がん

あなたは、「ステージ1の大腸がんと診断されたけど、これから大丈夫かな?」と不安に感じていませんか?

そこで今回は、ステージ1の大腸がんの3つの治療法・手術法や生存率、抗がん剤治療について分かりやすく紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

ステージ1の大腸がんの状態、生存率は?

ステージ1の大腸がんとは、大腸の少し内側のところにガン細胞がある状態のことを言います。

じつは、大腸は何重にも渡って皮膚のようなものに覆われています。一番内側が「粘膜(ねんまく)」と呼ばれていて、一番外側が「固有筋層(こゆうきんそう)」と呼ばれており、大腸がんが一番内側の粘膜から発生します。

ガンが進行していき、これらの層を全部つい抜けたり血管やリンパ管にガン細胞が移動したりすると「転移」してしまうのですが、ステージ1はまだ内側の方にガン細胞があるので、転移の可能性は極めて低いです。

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引用:大腸がんの手術成績:がんナビ

実際に、「大腸がんの手術成績:がんナビ」のデータによると、ステージ1大腸がんの生存率は90%以上と非常に高い数字が出ています。(つまり、再発率は10%以下です)

それに、このデータは1991~1994年と少し古いデータなので、医学の進歩を考えると現在はさらに高い生存率が望めます。

ステージ1大腸がんでは、どんな治療・手術法をするのか?

上記で述べたように、ステージ1はガン細胞が大きくなく大腸の深い部分まで侵入していないので、手術による完治を目指していきます。

具体的には、

  • 内視鏡手術
  • 腹腔鏡下手術
  • 開腹手術

の3つの内、どれか1つを行うことになります。

また、ステージ1の大腸がんでは抗がん剤治療は基本的に行いません。なぜなら、抗がん剤治療をする目的は、手術を行う体力が残っていない患者さんに対して、少しでもガンの進行を遅らせることにあるからです。

とは言っても、まれにステージ1の手術後に抗がん剤を使う時がありますが、それは「手術で取りこぼしたかもしれない小さなガン細胞を退治して、さらに完治の確率を高めるため」と言う予防的な意味で使われるものです。

では、先ほど紹介した3つの手術法のメリット・デメリットを紹介していきましょう。

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内視鏡手術

大腸がんの手術の中でも最も患者さんの負担が軽く、手術後の合併症や後遺症のリスクが小さい手術法です。

やり方は、治療当日に2Lの下剤を飲み便を全て出すことから始まります。その後は、肛門から内視鏡(胃カメラみたいなもの)を入れて、カメラを通して大腸の様子を観察しながら、内視鏡に付いている「高周波電流」でガン細胞を取り除きます。

デメリットとしては、「ガン細胞の広がりを小さい」や「がんの悪性度が低い」などの様々な条件をクリアしていないと、手術ができないと言うことです。

腹腔鏡下手術

お腹の下部分に穴を開けて、そこから腹腔鏡やハサミを入れて、モニター画面を見ながら行う手術法です。

内視鏡手術よりも少し大がかりな手術法ですが1週間ほどで退院できたり、手術跡(縫った跡など)が残りにくい、合併症や後遺症のリスクが低いなどのメリットがあります。

デメリットは、専用の設備が必要になるので手術できる病院や医師が限られるのと、費用が開腹手術よりも高くなる傾向があることです。

腹腔鏡下手術について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

参考記事:大腸がんの腹腔鏡手術の方法や術後の仕事復帰について分かりやすく解説していく

開腹手術

ガンの手術では、基本的な外科手術と言えます。開腹手術は、ガン細胞や周辺の臓器の様子がよく見えるので、現在のガンの状況が把握しやすく医師が手術しやすいのがメリットです。

デメリットは、大がかりな手術になるので、退院まで1か月ほど時間がかかったり、体力が元に戻るのに時間がかかるので仕事復帰も長期になることです。

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