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肺がん

[2022年版]ステージ3の肺がんの余命や手術・治療法を分かりやすく解説

ステージ3の肺がんん治療法

あなたは、ステージ3の肺がんだと診断されて、「どのくらい自分のがんは深刻なのか?あと余命はどのくらいか?」などの疑問に感じているのではないでしょうか?

そこで今回は、ステージ3の肺がんの余命・生存率や治療法を、医療について知らない人でも分かりやすく解説していきます。

ぜひ、今後の治療の参考にしてください。

ステージ3の肺がんの状態とは?

ステージ3の肺がんとは、ガンの状態が以下の2つのうち、いずれかの状態を満たす肺がんのことを言います。

  • 肺より少し遠くの位置にあるリンパ節(縦隔リンパ節)に転移している
  • ガン細胞の大きさが7㎝以上で、肺の近くのリンパ節(肺内リンパ節)に転移している。

リンパ節とは、血管のように体の至る所に張り巡らされている管のことで、体内のウイルスや病原菌を退治してくれる役割があります。

つまり、リンパ節にがんが転移したステージ3とは、このまま放っておけば、がんが他の臓器に転移して、完全に手の付けられない状態になる肺がんだと言えるのです。

ステージ3の肺がんの生存率・余命は?

神奈川県立がんセンター呼吸器グループ」によると、ステージ3の肺がんの生存率は、約25~35%ぐらいとなっています。

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引用:主な疾患の解説 【神奈川県立がんセンター呼吸器グループ】

また、「武蔵野赤十字病院」のデータによると、ステージ3の肺がんの生存率は20%ほどとなっています。

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引用:武蔵野赤十字病院 | 外来のご案内 | 診療科の紹介 | 呼吸器外科

もちろん、これらの数字が全てではなく、患者さんの健康状態やどの治療法を選ぶかによって、生存率は変わってきます。

なぜなら、生存率はあくまでも何千、何万人もの患者さんのデータを集めた統計なのであって、あなた自身のデータではないからです。

ステージ3の肺がんの手術・治療法とは?

ステージ3の肺がんでは、「放射線治療+抗がん剤治療」を組み合わせた治療法がメインとなります。

ガンの治療と言えば、ガンを切除する外科手術がベストなのですが、ステージ3になるとガンの範囲が広くて患者の負担が大きくなるので、外科手術でも「放射線+抗がん剤」でも治療効果に大差がありません。

医師によっては、「この患者の場合は、手術はした方が良い」と判断する場合もありますが、逆に健康状態から手術ができない状況もあり得ます。

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メインの治療となるのは抗がん剤治療。9割以上の方が対象

では、具体的にどのような抗がん剤、放射線治療を行うかと言うと、95%以上の患者さんは、「カルボプラチン」と「アリムタ」と言う抗がん剤を組み合わせて治療をしていきます。

「新横浜かとうクリニック」さんも肺がんの抗がん剤治療について、以下の様な見解を述べています

ALK(アルク)融合遺伝子がマイナスの95%以上の肺腺癌の患者さんへの、肺腺癌の1次治療で一番よいカルボプラチンとアリムタの奏効率は、35.8%です。

引用:肺がんの治療 | 新横浜かとうクリニック

奏効率(がんの進行を食い止めたり小さくする確率)が35.8%と言うのは「低い確率だな」と感じる人が多いですが、あくまでもこれは多数の患者さんの平均値を取ったデータであって、あなたの肺がんの治療成功率を示しているものではありません

放射線治療も併用して治療する場合が多い

ステージ3の肺がんでは抗がん剤治療がメインになりますが、それと並行して放射線治療を行う場合もあります。

放射線治療とは「ガンは熱に弱い」と言う性質に注目して、放射線でガン細胞に熱を浴びせることでガンを殺そうと言う狙いがある治療法です。治療方法は、「リニアック」や「マイクロトロン」と言う専用の装置を使い、患者さんはレントゲン写真を撮るみたいに機械の前に立ったり座ったりするだけで、15分程度で終わります

放射線治療はガン細胞をピンポイントに攻撃するために、何回もCT写真を撮ってガン細胞を位置を確認しながら行います。しかし、それでも健康な細胞も一緒に攻撃してしまうので副作用は避けられませんが、抗がん剤ほど苦痛ではないのが一般的です。

肺がんの放射線治療については、以下の記事に詳しく書いているので参考にしてください。

参考記事:肺がんの放射線治療の副作用や効果、余命を紹介していく

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