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胃がん

ピロリ菌で胃がんになるリスクや検査方法を紹介していく

あなたは、「ピロリ菌が胃がんのリスクを増やす」と聞いて、本当かなと疑いの目を持っていませんか?

そこで今回は、ピロリ菌が胃がんを引き起こすリスクや検査方法を紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

ピロリ菌が胃がんを引き起こす原因とは?

ピロリ菌と言えば衛生環境が悪い地域で感染する、と言うイメージがありますが、それだけではなくピロリ菌に感染をすると、胃潰瘍や胃炎、胃がん等の重大な病気にかかるリスクも増加してしまいます。

実際に、胃がんの治療をして再発する確率は、『ピロリ菌がある人は8%、ピロリ菌を除菌した人は4%』と言うデータがあります。

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引用:胃がんとピロリ菌の除菌について | ピロリ菌の知っておきたい対処方法 | ピロリ菌ネット

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なぜ、ピロリ菌があるかないかで胃がんのリスクが変わるのか?

では、なぜピロリ菌が胃の中に住み着いてしまうことで、胃がんのリスクが増えるのでしょうか?

この原因についてまだハッキリとした事は分かっていませんが、有力な説として、

ピロリ菌が胃の粘膜を破壊し続けることで、胃の細胞の遺伝子がガン細胞に変化しやすくなるから

と言うのが挙げられます。

普通、胃の中には強力な殺菌成分が含まれている「胃液」で満たされているので、細菌やウイルスは胃の中で住むことができません。

しかし、ピロリ菌は、胃の中でアンモニアを作り出して胃液の効果を弱めることができます。それに、『活性酸素』と言う体内の細胞を攻撃する物質も作り出すので、胃の中をボロボロにしてしまうのです。

これによって、胃の細胞の遺伝子が傷つけられて、ガン細胞に変化する確率が高まるから胃がんになる、とされています。

ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌が胃の中にいるかどうかの検査法は、いくつもあり、どれも簡単な方法ばかりです。

ここでは、代表的なピロリ菌の検査法を4つ紹介していきます。

迅速ウレアーゼ検査

迅速ウレアーゼ検査とは、胃の酸性の度合い(胃酸の濃度)を調べることで、ピロリ菌の有無を確認する検査法です。

上記で述べたように、ピロリ菌は胃の中でアンモニアを作り出します。

胃の中には胃酸(酸性)が豊富に含まれていますが、もし、ピロリ菌がアンモニア(アルカリ性)を作り出していると、これらの成分がお互いに打ち消しあって、胃の酸性の度合いが小さくなっているはずです。

培養法

培養法とは、内視鏡(胃カメラ)で胃の粘膜の少し取り出した後に、その粘膜を調べてピロリ菌の有無を検査する方法です。

検査結果が出るのに時間がかかるますが、ただピロリ菌の有無が分かるだけではなく、「どの種類のピロリ菌なのか」「このピロリ菌に適した治療法はどれか」が分かるので、非常に有効な検査法です。

鏡検法

鏡検法とは、内視鏡で胃の粘膜を少し取り出した後、顕微鏡でその粘膜を調べてピロリ菌の有無を検査する方法です。

上で紹介した「培養法」はある程度の設備、検査する人の実力が必要になってきますが、鏡検法はほとんどの病院で比較的簡単にできる検査です。

抗体測定法

患者さんの血液や尿を調べて、ピロリ菌の有無を確認する検査です。

患者への負担が最も軽い検査法で簡単にできますが、ピロリ菌の数が少ない場合は、ピロリ菌があるのに「ピロリ菌がない」と言う検査結果が出たりするので、そこが問題点です。

以上の4つの検査法を紹介してきましたが、これらのどれか1つで検査するのではなく、いつくかの検査法を組み合わせてより正確な検査結果が出るようにするのが、オーソドックスな検査法です。

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