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胃がん

胃がんの放射線治療の効果や副作用を紹介する

あなたは、「胃がんに対して、放射線治療は役に立つのか?」と疑問に感じていませんか?

そこで今回は、胃がんの放射線治療の効果や副作用、最新治療などを紹介していきます。

ぜひ、参考にしてください。

胃がんで行う放射線治療とは?

「放射線治療」とは、X線や電子線と呼ばれる放射線をがん細胞に当てて、ガンを死滅させるのが狙いの治療法です。

私たちの体の細胞は、絶えず分裂と再生を繰り返しており、体の健康状態を保とうとしています。これはガン細胞も同じで、がん細胞も分裂と再生を繰り返して、増殖・肥大化しているのです。

しかし、ガン細胞が「分裂→再生」の作業を行っている時には、そのがん細胞の中に入っているDNAが無防備になるので、そこに放射線を当てて、がんを死滅させることができるのです。

放射線は、細胞が分裂してふえるときに必要な遺伝子に作用して、細胞がふえないようにしたり、細胞が新しい細胞に置き換わるときに脱落する仕組みを促すことで、がん細胞を消滅させたり、少なくしたりします。

引用:放射線治療のことを知る|がんになったら手にとるガイド [がん情報サービス]

胃がんに対する放射線治療の効果とは?

このようにがん治療に注目されている放射線治療ですが、胃がんに対してはあまり効果が高くないのが現状です。

放射線治療を行ったときには、放射線を当てた周りの部分に「活性酸素」と言う物質が作られて、この物質もがん細胞を倒すのに役立ってくれます。

しかし、胃がんの場合は、ガン細胞が大きな塊となって成長するのでガンの中に酸素が入りにくく、そのせいで放射線を当てても活性酸素が生まれにくく、ガン細胞を倒しにくくなっています。

他にも、胃は新陳代謝(細胞が生まれ変わること)が活発な臓器でもあるので、放射線治療を行うと、ガン細胞ではない健康な細胞の悪影響を心配されています。

胃がんの放射線治療の副作用とは?

放射線治療は、ガン細胞を攻撃するだけではなく、健康な細胞も一緒に攻撃してしまうので、副作用はあります。

原子爆弾や原子力発電所の事故の悲惨さを見てもわかるように、放射線は私たちの体に良いものではありません。

胃がんの治療で放射線を使った場合は、胃に関することで副作用が出る可能性が高いです。

例えば、

  • だるい
  • 食欲がない
  • 吐き気がする
  • 下痢

などが挙げられます。

今、抗がん剤を使った放射線治療が注目を集めている

このように、胃がんに対してはほとんど良い所がない放射線治療ですが、最近の研究では「抗がん剤を使えば効果あり」と言う結果が出ているようです。

しかしこの数年で、そうした固定的ながん治療の捉え方に風穴をあけるような動きが見られ始めている。ごく少数の病院で、限られた症状の患者に対してだが、胃がん治療にも他の臓器のがんと同じように、放射線と抗がん剤を併用する化学放射線治療を導入され始めているのだ。

そのひとつ、慶応大学病院では4年前から、病態がステージ4以上(一部ステージ3Bを含む)で手術不能と判断される胃がん患者を対象に同じ治療が行われている。腹腔鏡手術でも有名な同外科教授の北島政樹さん指導のもとでの新しい治療だ。

引用:「化学放射線治療」は、胃がんにも有効だった 手術不能の転移がんでも完全消失10%、生存期間18カ月、副作用も穏やか | がんサポート

欧米諸国では、日本が導入する前から積極的に「放射線+抗がん剤」の胃癌治療を行っていましたが、日本でもこれからどんどんデータが集まって、導入する病院も増えていくでしょう。

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